きっかけはYouTube
南里沙
- Magazine ID: 1288
- Posted: 2013.07.09
オーボエはギネスブックに載るくらい演奏が難しい楽器である。そんなオーボエでプロフェッショナルを目指していた彼女だから、クロマチック・ハーモニカ演奏を習得するのに多くの時間を費やさずに済んだようだ。もちろん相当な練習量だったと推察されるが。
「ハーモニカを始めて間もない頃、父が東京に単身赴任していたんです。父から『ハーモニカ聴かせてよ』って言われて、YouTubeに演奏をアップし始めました。まだ始めて3カ月くらいで音も濁っていたり間違えたりしていましたけど、何曲もアップしているうちに、だんだん父以外の人も見てくれるようになってきたんです。海外の人からコメントを貰ったり、『あなたの演奏を聴いてクロマチック・ハーモニカを買いました』とか、ホントにたくさんの人が見てくれるようになっていきました。そうしているうちに見てくれた人が今の事務所の社長さんを紹介してくれてトントン拍子に話が進んで……」
あのロックバンドのジャーニーでさえ新しいヴォーカリストをYouTubeで見つけてスカウトする時代。まさにYouTubeから出てきたアーティスト。その一方で、ライブの経験も着実に積んできたというからしっかりしている。
「ある日、家の近くの公園で練習していたら、たまたま通りかかった教会の牧師さんが『教会で吹いて欲しい』って言ってくれて、初めて人前で演奏したんです。そうしたらそこで聴いてくれていた人から『結婚披露パーティで吹いて欲しい』って言われて、そこで演奏したらまたイベントに来て吹いて欲しいって」
演奏するたびに次から次へとオファーが舞い込むという状態に。もうこのへんが彼女の非凡さを物語っている。楽器のテクニックは言うに及ばず、そのラブリーなルックスも人を引き付ける。
というわけで、出会いが数珠繋ぎ。
「とにかくハーモニカがきっかけでなんか不思議な力が働いて、すごく多くの人との出会いが生まれました」
でも、そもそも「クロマチック・ハーモニカ」って普通のハーモニカとどう違うんだ?
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出演:南 里沙
1987年4月9日生まれ。神戸女学院大学音楽学部音楽学科オーボエ専攻卒業。大学在学中にクロマチック・ハーモニカに出会い、徳永延生氏に師事。2009年、F.I.H.ドイツ世界大会オーブンカテゴリー準優勝。2010年、第30回F.I.H.日本ハーモニカコンクール3部門にて優勝。ジャズ・ポップス部門において、同大会の総合グランプリ受賞。第8回アジア太平洋ハーモニカ大会クロマチックソロオープンにて優勝。2011年、中国・上海音楽庁で演奏、またいずみホールにてウクライナ国立キエフ交響楽団と共演。2012年、ウクライナにてISNO新交響楽団と共演。
メジャーデビュー“Mint Tea”ツアーは7月16日東京・六本木STB、18日大阪・難波Flamingo the Arusha、“Mint Tea”スペシャルコンサートは26日名古屋・名駅Rosenstrauss
詳しくは南里沙オフィシャルサイト http://southrachel.p1.weblife.me/
スタイリスト:白山美由紀
取材・文:横田一郎
衣装協力:ZURI
撮影:萩庭桂太