杏里の最新作『Surf City』にはボーナストラックが2つ収録されている。「NON STOP MIX from“Surf City -Coool Breeze-”」と「SUMMER CANDLES」のピアノ演奏ヴァージョンだ。

「NON STOP MIX from“Surf City -Coool Breeze-”」は『Surf City』の曲をリミックスしたメドレー。『Surf City』という作品のエンドロールを見るかのように、曲が展開していく。

 そして、杏里の代表曲の1つでもある「SUMMER CANDLES」のピアノヴァージョンは、デイヴ・グルーシンが演奏している。デイヴは、アメリカ西海岸を拠点に活動するジャズ・フュージョン系の作曲家でピアニストである。杏里が東京とLAを拠点に活動していることでコラボレーションが実現した。

 デイヴについては、一般的には映画音楽のほうが知られているかもしれない。

 代表作はヘンリー・フォンダの遺作でキャサリン・ヘップバーンとそろってアカデミー主演男優賞と主演女優賞に輝いた『黄昏』や、ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープが大人の恋愛を熱演した『恋におちて』。音楽を担当した『卒業』のサウンドトラックではサイモン&ガーファンクルとともにグラミー賞最優秀インストゥルメンタル作曲賞を受賞している。

 デイヴの演奏はとても映像的だ。

 そのピアノとともに、杏里が歌詞をつむいでいく。

 言葉が胸にしみてくる。

『Surf City -Coool Breeze-』 2013.7.10発売

初回特典盤 CD+DVD 3,600円(税込) QYZI-10007
通常盤 CD 3,000円(税込) QYCI-10007
http://anri-music.com/disc/

  • 出演:杏里

    シンガー・ソング・ライター。神奈川県出身。1978年に「オリビアを聴きながら」でデビュー。「悲しみがとまらない」「思いきりアメリカン」「SUMMER CANDLES」など数々の名曲を歌ってきた。最新アルバムは、1980年代の自分の曲をセルフカバーした『Surf City』(3,000・アイビーレコード)。まもなく「杏里コンサート2013 Surf City」がスタート。7月13日(土)松戸・森のホール、31日相模女子大グリーンホール、8月2日中野サンプラザホール、30日かつしかシンフォニーホール、9月13日金沢歌劇座。詳細は http://anri-music.com/

  • 取材・文:神舘和典

    1962年東京都出身。音楽を中心に書籍や雑誌のコラムを執筆。ミュージシャンのインタビューは年間約70本。コンサート取材は年間約80本。1998年~2000年はニューヨークを拠点にその当時生きていたジャズミュージシャンのほとんどにインタビューした。『ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)、『25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)、『上原ひろみ サマーレインの彼方』(幻冬舎文庫)など著書多数。

    新潮新書 http://www.shinchosha.co.jp/writer/1456/
    幻冬舎新書 http://www.gentosha.co.jp/book/b4920.html

撮影:萩庭桂太