母のこと
Sharo
- Magazine ID: 1271
- Posted: 2013.06.06

「普通の家に育った」とSharoは言う。
「あまりほめてくれない親でした。『試験で98点取ったよ』と報告すると『あと2点、何がダメだったの』と言うような母親なんです。それくらい厳しかった。でもその厳しさに今は感謝していますが、ほめられたい願望は今もどこかにあるかもしれません」
現在出演しているPHILIPS のsonicare のTVCMについても
「15秒編と30秒編があるんですが、その30秒編を母はダメ出しするんです。『せっかく30秒もあるのに表情の変化が足りない』と。親なら手放しで喜んでくれてもいいじゃないですか、ねえ(笑)」
路上ライブをしていた頃は母親も相当心配していたようだという。そんな厳しい母親もテレビに出ることで少し安心してくれた。
もちろん、母親は彼女を心配して厳しいのだろう。見守る目はずっとそこにある。
「サークルでの公演や、アカデミーの試演会、その後のライブ活動も、母は欠かさず見に来て、写真やビデオを撮ってくれました」
それとね……、と、彼女は恥ずかしそうに付け加えた。
「母は自分がそばかすが多いからと、私には幼い頃から日やけ止めクリームを塗ってくれました」
今目の前にいる彼女を見ていると、大事に大事に、大輪の薔薇を育てるようにわが子に接した母親の気持ちが、ひしひしと伝わってくるような気がした。
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出演:Sharo
福岡県生まれ。早稲田大学在学中に東宝ミュージカルアカデミーのオーディションに合格、第1期生に。その後、ライブ活動を始め、役者、タレント活動へとフィールドを広げる。9月3日に渋谷マウントレイニアホールでライブを開催。株式会社スタッフ・アップ所属。
プロフィール http://www.staff-up.net
公式ブログ http://ameblo.jp/sharoblog/ -
取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
ヘアメイク:宮内直人 http://www.sugar-makeup.com
撮影:萩庭桂太