ESCOLTAの一員ではあるが、個人的には田代万里生としての活動がまずある。ミュージカルに出ることも多く、その場合はもちろん、歌だけでなく芝居もする。2009年の『マルグリット』で、初めて普段しゃべるような声で芝居をしたと言う。

「最初はドキドキしましたよ。歌っていて『もうすぐ芝居だ……』と思うと、別人のような小心な人格になってしまっていたり(笑)。マイクに慣れていないので、オペラの感覚のまま大きな声で歌い過ぎたりしていましたね」

 舞台俳優。テノール歌手。いろんな肩書きで呼ばれる。

「肩書きは気にしていないです。田代万里生というジャンルでいこうと思います!」

 あまりにもぶれないクラシックというジャンルが芯にある人だからこそ、そこからきっと自由になれる。跳んでいっても戻って来られる。そんな気がした。

  • 出演:田代万里生

    1984年長崎県生まれ、埼玉育ち。東京芸術大学音楽学部声楽科テノール専攻卒業。埼玉県立大宮光陵高校音楽科声楽専攻(テノール)卒業。ピアノ講師である母のもとで3歳からピアノを学び、いくつかの楽器を経て15歳から声楽の道へ。大学在学中に本格オペラデビューし、2007年にソリストグループ「ESCOLTA」(エスコルタ)でCDデビュー、定期的にコンサートを行っている。7月17日にはミニアルバム『ひとつの空』を発売。2009年からはミュージカルにも多数進出し、好評を得る。6月5~6日、Bunkamura オーチャードホールで開催される『ワイルドホーン・メロディーズ』にも出演する。
    公式ブログ http://ameblo.jp/mario-capriccio/

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

ヘアメイク:藤井康弘 http://www.yasumakeup.com/
撮影:萩庭桂太