今注目しているのは、補正下着だという。ブラジャーだけではなく、昨今、ウエストを強力なストレッチで引き締め、ヒップを持ち上げるボディスーツのような下着が流行し始めているのだ。

「若い子はあんまりきつく締め付けるのは慣れていないし、『プチ補正下着』くらいのものが売れるんじゃないかと思っているんですよね。ガードルなんかも、可愛かったらもっと着けたくなるんじゃないかな」

 気になる下着を見つけたら、解体して研究する。小さなリボンの位置も研究を重ねている。

「みんなが気に入ってくれるもの。みんなに買ってもらえるものを作らないといけないと思っています。だから自分が好きなものはまだ作れない。いつの日か『私が着たい』と本気で思うものをつくってみたい気持ちはあります」

 しかし、それだけが夢ではない。彼女の目線はやはり「みんなのおっぱい」に注がれている。

「ブランドを大きくする事も大事ですが、みんながちゃんと合ったサイズの下着を身につけてもらえるように声を上げ続けていたいです。今の人たちは欧米化して足も長いのに、相変わらず合わないブラをつけて、体型カバーする服を着ている人が多い。インターネットのニュースで一番売れているのはCカップ、一番なりたいのはDカップというのを見たんですが、みんな実はもっとナイスバディですよ」

 20代に比べ、脂肪がついて肌が柔らかくなってくる30代からが、実はおっぱいのつくり時だと、彼女は言う。

「胸の下のほうでたるんだ肉も、フリソデ、なんて言われる二の腕のぽちゃぽちゃ肉も、胸に持って来られますよ。おっぱいは自分で作れます! 私も毎日、おっぱい体操してますし」

 おっぱい体操は、男性立入禁止の場所で、こっそり教えてもらうことにしよう。

  • 出演:和智茉璃奈

    1986年東京都生まれ。短大卒業後、大手ランジェリーメーカーに入社、若干20歳で店長に。前年比300%売り上げるカリスマ・フィッターとして話題に。現在はMysterious Margueriteというブランドのプロデューサーで、株式会社WM(ダブルエム)代表取締役社長。
    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/marinachan66/
    Mysterious Marguerite http://mysterious-marguerite.jp/

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

ヘアメイク:茂手山貴子 http://moteyama.com/
撮影:萩庭桂太