桜も凍るような小雨の砧公園で、普段着の濱田めぐみさんに会うことになった。飼いイヌも一緒に来るという。

「よろしくお願いしまーす」

 車から降りてきたのは、濱田めぐみさんとミニチュアダックスが2匹。

「ラッキーと、もこ、です。ラッキーはさびしがりやで甘えん坊。もこはのんびりマイペースな性格。いつも私の膝の上を取り合いするんですよー」

 イヌ好きの萩庭桂太は張り切り、彼女のイヌを自分のイヌのように扱い始めた。なんでもシーザー・ミランとかいうイヌの調教師のテレビ番組をすべて観ており、どんなイヌでも従えることができると豪語する。

「イヌを自分より先に歩かせちゃダメ。こちらが主人だということをわからせないといけないから」

 講釈がうるさ過ぎる。濱田さんは「はいはい」と笑っているが、きっと内心「ほっといてー」と思っていたに違いない。しかしイヌが萩庭桂太の言うことをたまさか聞いたりしたので、けらけら笑っておられた。心の広い人である。

「私が歌うと二匹とも爆睡するんです。安眠作用があるんですかね」

 イヌと戯れる濱田さんは、言われなければ女優には見えないような気さくな感じであった。

  • 出演:濱田めぐみ

    1972年福岡県生まれ。95年に劇団四季オーディションに合格、3カ月後に『美女と野獣』ヒロインでデビュー。以降、初演『ライオンキング』、初演『アイーダ』、初演『ウィキッド』でもヒロインに。2010年に退団。2012年『ボニー&クライド』で舞台復帰。同年初のソロコンサートは5分で完売。6月にはBunkamuraオーチャードホール『ワイルドホーン・メロディーズ』、7月には帝国劇場『二都物語』に出演する。

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太