日本のヴィジュアル系を分析
YOHIO
- Magazine ID: 1223
- Posted: 2013.02.28

父親はギタリスト。音楽一家に育ったYOHIOは11歳からギターを始め、14歳ですでにヴィジュアル系バンド「Seremedy」のギタリストになって、早弾きしていたというから驚く。
彼がヴィジュアル系音楽に目覚めたのは、2003年にデビューしてスウェーデンでも人気を博していたANTIC CAFE(正式名称はアンティック-珈琲店-)を聴いてからだという。
「90年代の日本のヴィジュアル系は新しさと、昔の考えをともにキープしている素晴らしい音楽だと思いました。ずっと聴いていると2005~2008年にもひとつのムーブメントがあって、2009年からまた変わってきたと思います」
彼の新しいアルバム『BREAK the BORDER』は、複雑なアレンジの上にメロディアスな曲とわかりやすい歌詞が乗っている。あまりヴィジュアル系に詳しくない私にもやはり90年代を感じさせる。
「アレンジにはすごく時間をかけました。その時間と、込められているすべての感情を感じ取ってほしいです」
メイクや衣装は、さらに、日本のヴィジュアル系よりも進化した印象がある。
「ヘアもメイクも衣装も、完全に自分でプロデュースします。人に言われてやることは一切ありません。この毛先がはねたヘアスタイルは、ヴィジュアル系や日本のホストの人がよくやっていますが、先端をピンクに染めるのはぼくのアイデアです。白い衣装に合うように考えたんです」
なんで日本のホストのことなんか知ってるんだろう。
「新宿でホストの人たちを見かけたりするからです。違う職種だけど、ホストとヴィジュアル系は髪型においてはインスパイアし合っている気がします。ホストは髪の色は控えめですけどね。今は日本も活動の場なので、いろいろとチェックしておきたいんです」
見た目から入ると気になる職種の人が出てくる、というのも面白い視点である。
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出演:YOHIO
1995年、スウェーデン生まれ。性別・男。6歳からピアノを、11歳からギターを始め、14歳でヴィジュアル系バンドSeremedyを結成。2010年に初ライブを行い、女のコのようなドレス姿でギターを弾く姿が人気に。2011年3月、同バンドでヴィジュアル系最大のフェス「V-ROCK FESTIVAL’11」のオープニングアクトを務める。2012年4月にはソロデビュー。ソロでの人気も鰻上りで、2013年4月24日、ユニバーサルインターナショナルから初のフルアルバム『BREAK the BORDER』をリリースする。
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取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影:萩庭桂太