どうやらYOHIOは2012年春からソロ活動を始めたのだが、そのときのミニアルバム『REACH the SKY』では女のコ同然のコスチュームとメイクで登場している。

 透けるように真っ白な肌、というのはこういうことを言うのだろう。華奢な体つきはロリータ系の女のコのようにフリフリのフリルを着てもまったく違和感がない。

 しかし4月24日に発売になる初のフルアルバム『BREAK the BORDER』では、今度は男のコとして登場するというのである。まさに境界線を超えて女のコになったり男のコになったりできる人なのだ。

 レコード会社を訪れると、アーティストルームから真っ白の男のコが現れた。白い革の上下。パンツはヒップのサイドあたりにスリットが入っていて、地肌が見える。でもなんかいやらしくない。アニメの絵を見ているような感じだ。

 なんか、キャシャーンみたいじゃないですか。(古っ)

 YOHIOはこちらが日本語で尋ねても理解はできるらしく、返答だけはゆっくり英語で説明してくれる。

「今回のアルバムではアグレッシブな曲が多いので、男を打ち出しているんです。その時その時やりたいことを表現していけばいいと思っているので、男の姿になったり女の姿になったり、スタイルはスイッチしていくつもりです。日本のファンはぼくのどちらの姿も好きでいてくれるようですし」

 衣装もメイクもすべて自分でプロデュースするのだという。

「人に言われてやることはありません」

 しかしYOHIOはまだ17歳である。そのアイデアはどこから湧いてくるのだろう。

  • 出演:YOHIO

    1995年、スウェーデン生まれ。性別・男。6歳からピアノを、11歳からギターを始め、14歳でヴィジュアル系バンドSeremedyを結成。2010年に初ライブを行い、女のコのようなドレス姿でギターを弾く姿が人気に。2011年3月、同バンドでヴィジュアル系最大のフェス「V-ROCK FESTIVAL’11」のオープニングアクトを務める。2012年4月にはソロデビュー。ソロでの人気も鰻上りで、2013年4月24日、ユニバーサルインターナショナルから初のフルアルバム『BREAK the BORDER』をリリースする。

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太