ちなみに筆者はつい最近、体を壊しそうになった。

 起き上がれず、気持ちばかり焦って目が回りそうになる。更年期かと思ったが、よくよく考えてみれば、まあ夏バテというのもあり、その実、たいそう忙しいことになっていた。

 なんと、レギュラー執筆、いわゆる連載だけで、週刊から季刊を含めると、10本にものぼっていたのである。そこへ特集や本の仕事がやってくる。これは限界だと感じ、萩庭桂太とN局長に「YOUR EYES ONLY の執筆を隔週にしていただけないでしょうか」と申し出た。

「そうだよね、大変だよ。よく頑張ったと思うよ」「じゃ、ライターは3人体制くらいにしたほうがいいかな」とお二人は優しくおっしゃったが、いまだそんな体制は見られない。N局長はお好み焼きとカラオケ、というべたべたな関西人向け接待をしてくださったが、お好み焼き屋では、思いきりたまったポイントカードを放出しておられた。カラオケは西麻布にはあるまじきスナックであった。

 そしてとうとう、今回、私はスタイリストまでやることになったのだ。

 理由は簡単だ。この連載には予算がないからである。

 美歩子ちゃんのスタジオ撮影が決まってから、スタイリストがまったく決まっていないのを、私はいらいらして、以前からお世話になっているBIGIの美人プレスのKさんに泣きついたのである。

 するとKさんは笑顔でいろいろと手伝ってくださった。私は見よう見まねで彼女に合うお洋服を選び、私物のアクセサリーをもって撮影に臨んだのであった。

 誰も頼る人がいない、と思うと、人は頑張れる。私は病んでなどいられないのである。

 BIGIは素晴らしい会社で、たくさんのブランドをお持ちだ。というわけで、今回、彼女にはいろんな世代のお洋服を着ていただいた。このFRAPBOISというのは20代のファッション好きな男女に人気のブランドだ。17歳という彼女の年齢には一番ぴったりしている。

 萩庭桂太がこの服を着る彼女に与えたテーマは「『ハクション大魔王』のあくびちゃん」であった。そんなキャラクターっぽいメイクにしても、こんなに可愛いのがびっくりである。

 ダイエットとかしているの? と尋ねると、彼女は首を振った。

「いいえ。甘いもの、毎日食べます」

 モデルさんに話を聞いていると、食べても太らない人が多いということに気づく。

 食べたら絶対に太る私は、スタイリストまでやってタダなの……、と思う気持ちも手伝い、やけ食いしたくなる気分であった。

  • 出演:美歩子

    1995年東京生まれ。イギリス人の父と日本人の母をもつハーフ。
    177センチの長身と、グレイッシュブラウンの瞳をもつ期待の新人モデルである。
    http://www.image-tokyo.co.jp/model/works/21

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

ヘアメイク:SHIGE
衣装協力:BIGI FRAPBOIS ¥22,050
撮影:萩庭桂太