「専門的な何かに頑張っている人。そしてパッションが強い人」

 サラ オレインに好きな男性のタイプを質問すると、即答だった。

 専門的って、たとえばどんな?

「分野は何でもいいです。音楽でも、文学でも、スポーツでも、アーキテクトでも、夢中になれる人。そういう男性とならば、おたがいを高め合えるからです」

 ルックは?

「容姿の好みは特にないです。大切なのは内面です。実際に、今まで素敵だなあ、と感じた男性の容姿にはまったく共通点がありません」

 しかし、日本人で彼女に積極的にアプローチする男性は少ないらしい。サラはきれいだから、気後れしてしまうのだろうか。日本人特有の内気さなのだろうか。

「気持ちを伝えてくれたら嬉しいですけれどねえ。でも、日本人の男性の気遣いは素晴らしいです。それに相手の話をきちんと聞く人が多いと思う。それは日本人の男性だからこその魅力です」

 ゲーム音楽界でずっとアイドル的存在であり続けている彼女に対し、オタクファンたちは押し寄せてこないのだろうか。

「とても熱心に応援してくれる人ばかりで感謝しています。ネット上で絶賛してくれるんです。彼らの期待に応えられるように頑張りたい」

 6月20日(水)にデビューアルバム『セレステ』がリリースされ、7月27日(金)には神奈川県葉山マリーナで行われるジャズフェスティバル「真夏の夜のJAZZ」の出演が決まった。

 また、11月9日(金)には東京の恵比寿ガーデンホールでデビューコンサートも決定。日本での活動が活発になっていく。サラは、しばらくは日本にいてくれそうだ。

 彼女は日本の生活になじんだのだろうか。

「音楽のほかにも翻訳の仕事もあり、毎日充実しています。今、海の近くで暮らしているんですけれど、港まで散歩に出かけるのも楽しい」

 食事も慣れた?

「日本のレストランの食事はとってもおいしい。お寿司と焼肉が大好き! お寿司は大トロとカンパチとヒラマサが大好物です」

 すかさず、女性マネージャーさんが「コストのかかるアーティストなんです」と注釈する。まあ、とはいえ、お寿司屋さんもピンキリですから。

「でも、先日連れて行っていただいた銀座のお寿司屋さんが、カウンターに数人しか座れないような隠れ家的なお店で、とてもよかったです。留学時代に入ったチェーン店は、とてもカジュアルだったので、まったく雰囲気が違いました。お寿司屋さんにもいろいろあるんですねえ」とサラ。

 そういえば、フォトグラファーの萩庭桂太氏は回転系の寿司が好きなのだ。先月の「Your Eyes Only」で、ライターの森綾さんが萩庭氏に回転系の寿司店に連れて行ってもらった話を書いていた。

「お寿司屋さんは、回っていないほうが好きです」と、屈託なく言うサラ。

 その横で、マネージャーさんが苦笑いをしている。このお2人の距離感、ちょっと年齢が離れた姉妹のようだ。

 ということで、「Your Eyes Only」ピンチヒッター神舘によるサラ・オレインの週は今日で終わりです。

 サラ オレインについてもっと知りたい人、実物の彼女を見たい人は、上記の7月27日(金)の「真夏の夜のJAZZ」か、11月9日(金)の彼女のデビューライヴに足を運んでください。ぜひ!

『セレステ』 2012.06.20発売

Blu-ray付限定盤【左】 3,675円(税込) UCCY-9014
通常版【右】 2,854円 (税込) UCCY-1025
http://www.sarahalainn.net/discography.html

  • 出演:サラ オレイン

    1986年オーストラリア生まれのシンガーソングライターでヴァイオリン奏者。子どもの頃からヴァイオリンで国内のコンクールで優勝を重ね、シドニー音楽院に入学。2006年にはシドニー大学に入学し、2008年に東京大学に留学。英語、日本語、イタリア語に堪能なことから、留学時よりコピーライターの仕事に携わる。2010年にシドニー大学を首席で卒業した後、日本での音楽活動をスタート。任天堂Wiiのゲームソフト『ゼノブレイド』やスクウェアエニックスのiPhone向けRPG『ケイオスリングス オメガ』の音楽を担当。6月20日(水)にシンガーソングライター&ヴァイオリン奏者としてのデビューアルバム『セレステ』をリリース(ユニバーサルミュージック)。7月27日(金)に神奈川県の葉山マリーナで開催される「真夏の夜のJAZZ」に出演。11月9日(金)には東京恵比寿ガーデンホールでデビューコンサートが決定。
    翻訳家としても、越野民雄著『オレ・ダレ』(講談社刊)の英語版『Who? Me?』の翻訳を担当した。

    デビューコンサートの詳細 http://www.sarahalainn.net/news/concert/01.html#top01
    オフィシャルサイト http://www.sarahalainn.net/
    公式facebook http://www.facebook.com/sarahalainn.net

  • 取材・文:神舘和典

    1962年東京都出身。音楽を中心に書籍や雑誌のコラムを執筆。ミュージシャンのインタビューは年間約70本。コンサート取材は年間約80本。1998年~2000年はニューヨークを拠点にその当時生きていたジャズミュージシャンのほとんどにインタビューを行った。『ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)、『25人の偉大なジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)、『上原ひろみ サマーレインの彼方』(幻冬舎文庫)など著書多数。

    新潮新書 http://www.shinchosha.co.jp/writer/1456/
    幻冬舎新書 http://www.gentosha.co.jp/book/b4920.html
    幻冬舎文庫 http://www.gentosha.co.jp/book/b4157.html

撮影:萩庭桂太