〝次はどんな写真を撮ろうか?〟ハギニワ氏が悩んでいると〝こんなのはどう?〟と、キモノを羽織って傘をさし、ベッドの上に寝っ転がってくれた! サービス精神全開の、素敵なオジサマだ。

「お前はいったい何歳だ?って、よく聞かれる(笑)。53歳だけど、中身は6歳ってところかな(笑)。人間は、たいていそのくらいだよ。心は子どものままなんだ。大人になると社会的にいろいろ我慢したりシリアスになる必要があるけれど、みんなそのくらいから進化していない。そういう自分も認めてやったほうがいいと思う、ときどきはね(笑)」

 Jsu、あなたはこれから、どんなふうに生きていきたい?

「精神的に幸せでありたいね。自分自身をもっと好きになりたい。みんなを愛して生きていたいと思う。今までも十分幸せだったけど、これからも同じように幸せでありたい」

 撮影中、彼は私たちが口にする〝カッコイイ!〟という言葉が気に入ったようで、覚えたいから紙に書いてくれ、と頼まれた。〝KAKKO-I-I!〟

「このところ映画は、ジョン・ロジャーの伝記映画などを製作する側に回っていたから、出演はしていないんだ。俳優としてまた映画に出るとしたら? 人の良いお父さん役なんて、あまりやりたくないね。タフガイとか戦士とか、殺人者とかヤクザとか、なら、やってもいい。ま、ダイエットしてこの腹を引っ込めてから、だけど(笑)。もしオスカーを獲ったら、挨拶にこの〝カッコイイ〟というフレーズを使うよ、約束する」

  • 出演:ジェズ ガルシア(Jsu Garcia)

    1963年10月6日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。19歳から俳優として映画、ドラマで活躍。主な出演作に『エルム街の悪夢』『トラフィック』『ザ・ロスト・シティ』など。
    オフィシャルサイト http://www.imdb.com/name/nm0006987/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/