日本に来たのはこれで3回目。

「一番好きなのは、ヨドバシカメラだね(笑)。それとアキハバラ、大好きだ。日本のクリエイションは素晴らしいよ。テクノロジーが好きだから、ヨドバシカメラには一日中いても飽きない。トヨタのレクサスは世界でベストの車だと思っている。日本のオモチャも好きだし、それにカラオケ! 僕はロスアンジェルスではカラオケの帝王なんだよ(笑)」

 コンビニエンスストアも、お気に入り。

「だって欲しい物が何でもある! しかも店員が愛想が良い! 物だけじゃなくて、FAXとかいろいろサービスも充実している! お客が整然とレジ前に並んでいるのも素晴らしい! これぞ日本だと思うね。用がなくても毎日足を運んでいるんだ、面白いから(笑)」

 日本の映画も、リスペクトしている。

「黒澤明監督の『酔いどれ天使』がすごい。三船敏郎はすごい役者、最高の役者だよ。でも近頃は・・・・、日本にはすごい映画監督がいなくなったね」

 そんな彼が今、日本のクリエイターの中で最も尊敬しているのが、宮崎駿さん。

「『風立ちぬ』を見て、ハマってしまった。それから宮崎さんのことを調べ始めて、ますます好きになったんだ。最近見た、宮崎さん自身について作られたドキュメンタリー作品『夢と狂気の王国』も、素晴らしかった。宮崎さんが、自分の父親のことを何も知らなかったといって泣いているんだ。どうやら彼は父親のことが嫌いだったらしくて、でもその父親を尊敬している人からの手紙を読んで、泣いていた。・・・・僕自身も、亡くなってしまった大事な人のことを思い出してしまったよ」

  • 出演:ジェズ ガルシア(Jsu Garcia)

    1963年10月6日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。19歳から俳優として映画、ドラマで活躍。主な出演作に『エルム街の悪夢』『トラフィック』『ザ・ロスト・シティ』など。
    オフィシャルサイト http://www.imdb.com/name/nm0006987/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/