5 大学を卒業して、パワー全開に
ふつうを演じる、極上のふつう女優 上大迫祐希
- Magazine ID: 4120
- Posted: 2023.03.31
そんな上大迫祐希が、舞台に立つという。映画ばかりじゃなく、演劇の世界でも、彼女のふつうさは求められている。
「3月30日から4月2日の4日間、『ぼくはタヌキじゃない』っていう不条理会話劇、というか。クスッと笑えて独特な会話劇です。平塚直隆さんという方の脚本・演出で、その方の舞台に出させていただくのは4回目です」
さらに5月と6月、『劇団ラッパ屋』の舞台にも出演予定とか。
「5月の公演は、昨年5月の公演がコロナで上演中止になってしまった、そのリベンジです。おかげさまで1年越しにまた同じキャストで上演が決まりました。それに6月は『ラッパ屋』さんの本公演で、大人世代の俳優さんたちが出る作品にお声がけいただいて、すごく楽しみにしています」
保険として通っていた大学も、この春卒業。学生という肩書が外れ、職業・俳優の社会人としての日々が始まる。
「まだ高校生だったとき、『湯を沸かすほどの熱い愛』という映画で自分と同年代の杉咲花さんを見て、カッコいいと思ったんです。技量もパワーもすごいなって。その後朝ドラの『おちょやん』に主演されたときも、年齢を重ねてからの演技、お芝居になると、目が違う。迫力があって」
それと比べるわけじゃないけど、と、言葉をつないだ。
「人を蹴落としてまで這い上がろう、という力が、私は弱いと思っていて。なにがなんでもこの役をつかみたい、という気持ちはありつつも、それを相手の人にわかってもらえるくらいのパワーを、私はまだ出せていないと思うんです。それを出せるようになりたいんですけど・・・」
まだまだ、これから。デビュー当時はふつうっぽくて垢抜けなくて、『私なんか・・・・』と言っていたのに、いつのまにか大物俳優とか実力派になっている例は、いくらでもある。
「これからは、今までの経験に感謝しながら、もっともっと、ちゃんと女優として、ご飯が食べていけるように、頑張りたいです!」
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出演 :上大迫祐希 かみおおさこ ゆうき
2000 年 12 月 28 日生まれ、鹿児島県出身。2019 年に大学進学と同時に上京。2021年初出演作『スパゲティコード・ラブ』で映画デビュー。2022 年映画
『神田川のふたり』(いまおかしんじ監督)で初めてヒロインを演じ、2022 年キネマ旬報ベ
スト・テン個人賞新人女優部門第3位。また ABEMA『恋愛ドラマな恋がしたい』#ドラ恋シーズン9に出演。2023 年 4 月には『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(金子由里奈監督)、年内には2作目のヒロインとなる『青すぎる、青』(今関あきよし監督)が公開される。また3月 30 日~4月2日舞台『ぼくはタヌキじゃない』、5月ラッパ屋リーディング公演 vol.2『ショウは終わった』、6月ラッパ屋第 48 回公演にも出演が決まっている。アイエス・フィールド所属【舞台情報】
『ぼくはタヌキじゃない』SANOKAN PRODUCE
作・演出 平塚直隆(オイスターズ)
3月 30 日(木)~4 月2日(日)@シアター風姿花伝
3月30日(木)19:00 3月31日(金)14:00/19:00
4 月 1 日(土)14:00/19:00 4 月 2 日(日)12:00/15:00
全席指定 4000 円(税込み)ネット予約のみ
チケット(カンフェティ) https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=71028&『ショウは終わった』ラッパ屋リーディング公演 vol.2
作・演出 鈴木聡
5月3日(水・祝)@紀伊國屋ホール【映画情報】
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
4月 14 日(金)新宿武蔵野館 渋谷ホワイトシネクイントほかで全国ロードショー
4月7日(金)京都シネマ 京都みなみ館にて先行公開『青すぎる、青』
年内公開予定取材/文:岡本麻佑
フリーライター歴30余年。女性誌、一般誌、新聞などで活動。俳優・タレント・アイドル・ミュージシャン・アーティスト・文化人から政治家まで幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。単行本、新書なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/