他にもいろいろ、子育ての現場で役に立ちそうな、こんなこと、こんなこと、と、西原亜希はたくさんの例を教えてくれた。実は彼女、5年前に出会ったチャイルドセラピーの講座を熱心に受け続け、2019年には自身がチャイルドセラピストになったのだ。
「これからは月に1度くらい定期的に、月ごとにテーマを変えたりして、講座を続けて行きたいと思っています。『イライラママから卒業しよう』とか、『ストレスについて』とか。先月にはオンラインで1度やってみたんですけど、皆さん、よろこんでくれました」
 受講するのは、かつての彼女のように子育てに疲れ、迷い、正解を求めるお母さんたち。
「子育ての情報って、たくさんあふれているんです。私も口コミで良いと言われる本を買い込んで、ちょっと実践してやめてみたり、いろいろしたから、わかります。でもこのチャイルドセラピーは、本当に変わる。お母さんが変われば、子どもも変わります。私自身が、ここまで楽になったんですから。確信があるんです」
 そう、変わるのは、子どもだけではない。
「お母さんは常に笑っているほうがいいって、みんな思っていますよね。でもそれは誰でも、スイッチを入れれば無理して笑顔を作れるじゃないですか。周りから見れば、素敵なお母さんだと思ってもらえる。でもそれ、本当の笑顔じゃないと、いつの間にかポキッと折れる瞬間が必ず来ます。私自身がそうだったんですけど、お母さんという存在になると、自分のことを置いてけぼりにしてしまう人が多いんですよね。子どものこと家族のことばかり考えて、自分に使える時間がなくなって、だから自分が今どうしたいのか、何をしたいのか、わからないお母さんがたくさんいる。それでも無理して笑っているんです。
 お母さんたちは、もっと自分のことを大事にしていいんだ、ということも、私は講座でお伝えしていきたい。もっと自分を大切にして、自分がやりたいと思うことをやって、自分の気持ちを満たすのは自分なんだってわかれば、本当の笑顔になれるはずですから」