5 月を見るクセ
俳優・若村麻由美
- Magazine ID: 4014
- Posted: 2020.10.30
月を見るのが、好きだという。
「朝日が昇るのを見るのも好きです。この春の自粛生活中、朝日が昇るのを見て、もう一回ベッドに戻って二度寝する、そんな暮らしをしてました。夜明けが好きだし、日暮れも好きですね。そう言われれば、空を見上げていることが多いかもしれない。夜、外に出ると、なんとなく上を見上げて、お月様がいるとほっとするんです。そして〝あ、私、また月を探していた〟って気が付くの。クセですかね。月を見るクセが、ありますね(笑)」
そのクセは、子どもの頃から。
「走っても走っても、お月さまはずっとついてきますよね。子どもの頃、お月さまから逃げてみようと思って、道を曲がったり走ったり隠れたりしてみたけれど、結局逃げられなかった。絶対に見られてる、絶対見えてる、見つかっちゃう。そんなふうに思ったこと、覚えています」
お月さまを見ているとき、人は、自分を見ているのかもしれない。月を見ているつもりでも、その実、月から見えている自分を確認しているのかもしれない。今、ここにいる私を、月が教えてくれるのだ。現実ドラマの、月は目撃者であり、観客だ。
この先、若村麻由美はどこに向かうのか?
「後輩の若い人たちに、いろいろなことを教えるのでなく、伝えたいってさっき(昨日の記事で)言いましたけど、それをやっていくとうるさいオバチャンだって思われるだろうなって思うけど、でも、うるさいオバチャンになるのもいいかなって、それもひとつの役目かなって、思い始めているところです。
だから、そう、それで思い出した。将来やりたいものがあるんです。『意地悪ばあさん』!あの、青島幸男さんがやったあれをやりたいの。大好きなんです。でもあれは、ただのイヤな奴に終わらないなにかこう、プラスアルファみたいなものが必要な役なんですよね。本当のことを誰に遠慮することもなく大声で言って、しかも大義名分とは全然関係無いつまんない意地悪もして、面白がっている。今の私には、あれを演じることは、難しいと思う。まだできない。まだまだ人間的な何かがね、足りません。でも、もっと大人になったら、やってみたいですね!」
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スタイリスト 岡のぞみ
衣裳 divka
ヘアメイク 小泉千帆(éclat)
【éclat)】http://eclat-daikanyama.com/
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出演 :若村麻由美 わかむら まゆみ
東京都出身。仲代達矢主宰無名塾養成期間中の1987年NHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロインに選ばれデビュー。エランドール新人賞を始め、ドラマ・映画・演劇と幅広く実力を評価され数々受賞。近年は舞台『ザ・空気』『子午線の祀り』で第25回読売演劇大賞優秀女優賞、舞台『チルドレン』で第44回菊田一夫演劇賞受賞、舞台『Le Pere 父』で第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど、今後の展開も期待されている。また、ヒマラヤ5545m登頂をきっかけに、アルピニスト野口健の富士山清掃に参加。2006年より富士山清掃隊長を務めている。
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【出演情報】
映画「みをつくし料理帖」芳役 全国公開中
https://www.miotsukushi-movie.jp/映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」主演 全国順次公開中
https://www.gendaipro.jp/ginko/theater.php/[舞台]「若村麻由美の劇世界~原文による語り芝居『曽根崎心中』」
12月17日(木)19:00開演
12月18日(金)12:00開演/16:00開演
会場:銕仙会能楽研修所(表参道駅A4出口3分)
詳細:10月30日(金)公式サイト公開
▶︎麻由美セレクト https://www.mwo-select.com/[舞台]「子午線の祀り」
2021年2〜3月世田谷パブリックシアターほか
https://setagaya-pt.jp/news/20200203-78802.html/TV朝日系 木曜ミステリー「科捜研の女20」
毎週(木)20:00 解剖医・風丘早月役
https://www.tv-asahi.co.jp/kasouken20/NHK連続テレビ小説「おちょやん」
11月30日(月)スタート(月)〜(金)総合8:00/BS4K&BSプレミアム7:30
座長・山村千鳥役 2021年1月登場予定
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
br>撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/