撮影中に、スマホから曲が流れた。この日、８月26日から配信された佐藤康恵の曲『Sunshine　Hours』だ。20歳の頃、シングル3枚、アルバム1枚をリリースしているが、音楽活動はそれ以来、21年ぶりだ。
「歌はずっと好きなので、いつかまたやりたいと思っていました。自分で曲を作って歌うシンガーソングライターじゃなくて、私にとって歌手活動は女優の延長線上にあるものなんです。だから曲を作ってくださる方を探して、ようやく配信されることになりました。
　ライブはやっていたんですよ、表参道とか下北沢のライブハウスで、2015年くらいから。でも私、ちょうどその頃子どもができたタイミングだったので、最初のライブはマタニティライブでした（笑）」
　モデルから女優、ジュエリーデザイナー、そして歌手。次から次へ、佐藤康恵の活動はどんどん多彩に、広がっていく。
「私の中に、諦めるという言葉は浮かばないんです。むしろ結婚して子どもが生まれたことで、すごいパワーをもらっている気がします。どんどんどんどん、ありのままでいいんだよって、そのままでいいんだよって、夫や子どもに応援されている気がします」
　だからこの先にも、未来にも、たくさんの夢がある。
「いつか、自分の好きな空間を作りたいと思っています。モデルの頃、下北沢とかに通っていたときに、喫茶店とかカフェがいっぱいあって、ああ、こういう空間いいな、都会にもこんなに落ち着ける場所があるんだなって、いつか自分でもそういう空間を作りたいと思ったんです。でも、それ以前に、今は子どもがいるので、一緒に語学留学するのもいいな、と。それから、それから･････」
　たぶん、それらの夢も、順番に叶えていくのだろう。
「この年齢になって仕事をするというのは、自分が生きて積み上げてきたものを本当に何の偽りもなく、出せることだと思うんです。本当にありのままで、そのままで、生きて行けたらなって思います」