歌って踊れて頭も良くて、しかもキレイで。小南満佑子、オールマイティですか?
「いえいえ、とんでもないです。私、水泳できないんです、あと球技も。もともと鈍くさいんですよ。しかも小学生時代にバレエを教えて下さっていた先生がすごいスパルタで、夏の発表会を前にして〝プールなんか入っちゃいけません!〟って。バレーボールとかバスケットボールも苦手です」
 それを聞いて、ちょっとほっとした。人間、適度な欠点も必要だ。他には?
「オジサンなんですよね。女子力が全然なくて、みんなに中身はオッサンだねってよく言われます。あまりキャピキャピしてないんですよ、人混みも好きじゃないし、渋谷に行くより浅草とか、レトロな街並みや落ち着いた風情が好きなんです。あまりアクティブに行動はしないほうですね。映画だったら『釣りバカ日誌』、スーさんが好きです」
 趣味欄にも、〈神社仏閣巡り〉とある。
「ずっと舞台をやっているので、公演前に祓っていただいてから臨むのが当たり前、という感覚なんです。舞台って生ものですから、いつ何が起こるかわからない。仕事の前に神社に行くのがルーティンワークというか、リラクゼーションであり、リフレッシュのひとつでもあり。東京では神田明神とか、六本木にある出雲大社の東京分祠とか、明治神宮にもよく行きます」
 オジサンぽさは、それだけじゃない。
「ザ・ピーナッツとかめちゃくちゃ好きなんです。『シャボン玉ホリデー』も知ってます。あと、尾崎紀世彦さん、『また逢う日まで』、めっちゃうまいやん、と思って。あと、布施明さん、『君は薔薇より美しい』、毎年紅白歌合戦で歌うのを見るのが楽しみでした。布施さんが出場しなくなってからは、石川さゆりさんとか坂本冬美さん、演歌も大好きです」
 オペラの名曲だけじゃなく、演歌もぜひ、聴いてみたいものだ。
「実は、時代劇もいつか出たいと思っています。日本舞踊やお能の所作もお稽古したことがありますし、それよりなにより、映画やドラマで見た『大奥』が大好きなんですよ。『エール』の撮影をしているとき、隣のスタジオで大河ドラマ『麒麟がくる』を収録していたので、秘かに『いつか大河ドラマに出られますように!』って、念を送っておきました(笑)」