未来のショービズに焦点を定めて、英会話からバレエ、ダンス、声楽などなど、ありとあらゆるお稽古事を積み重ねてきた小南満佑子。大学進学を前に芸能界への扉を拓いたのも、彼女自身の行動力だった。
「高校生のときはがっつりとクラシックの声楽をメインに学んでいたので、いざ大学となったときに、どの大学で何を学ぶべきか、いろいろ考えたんです」
 実は、エンタメ以外の選択肢もあったとか。
「検事になりたいと思ったんです。中学のときに法律にドハマリして、民法とか勉強しているとたまらなく楽しくて、法律を身につけたら何も怖いものないやん、と思って。弁護士だと悪いことをした人でも弁護しなくちゃならないけど、検事だったら正義の味方になれる。〝歌って踊れる検事、ええんちゃう?〟って(笑)」
 そんなこんなで迷っている最中、『レ・ミゼラブル』の大阪公演を見て、パフォーマンスや舞台美術のレベルの高さに感動し、これだ、と直感。翌年行われたフル・キャスト・オーディションに応募することに。
「受かる、受からないは別にして、今の自分の実力をプロの人たちはどう評価し、判断してくれるのか。それを知りたかったんです。半ば実力試し、運試しのつもりでした。で、行ってみたらイギリスの演出家の方に気に入っていただいて、でも君はまだ高校生で若すぎるから、とりあえずコゼットじゃなくて、アンサンブルから入って勉強してみようと言われました」
 結局、大学は東京音楽大学に進学。実力を認められ、在学中2016年には帝国劇場で『Endless SHOCK』のヒロインに。さらに2017年と2019年には念願の『レ・ミゼラブル』のヒロイン、コゼットを演じている。
 そんな、舞台中心の活動を重ねてきた中での、朝ドラ『エール』への出演依頼。
「まさか自分が朝ドラに出演する日が来るとは思ってもみなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。お話をいただいたときは本当に驚きましたけれど、でもうれしさの次の瞬間から、責任をひしひしと感じました。両親もあまり浮き足だって喜ぶことなく〝よかったやん、おめでとう、でもがんばらな〟って。天狗になってるヒマがあったら、もっともっと上を目指して精進しなさいって、言われています。これを機に映像のほうでもお仕事の幅を広げて行けたらな、と、思っています」