この夏大ヒットのアニメーション映画『天気の子』では、ヒロインの弟・凪の声を担当している。ちょっとハスキーな声は、少年役にピッタリだ。とはいえ、決め手となったのは声質だけでなく、吉柳咲良の演技力。新海誠監督が公式Twitter(@shinkaimakoto/2019年5月31日)で彼女に決めた経緯をこう伝えている。
『咲良さんにお願いしたのは男女取り混ぜたたくさんのオーディションの結果でした。ちょっと突き抜けた芝居の力と、年相応にすぐ面白くなって笑い転げてしまう仕草がとてもキュートな人です。さすがピーターパン!』
「声優というお仕事、アフレコがどういうものか全然わからなかったので、最初緊張していたんですけど、現場があたたかい感じで迎えて下さって、新海監督もすごく優しい方なので、ほっとして楽しくお仕事できました」
 さらに来年、新しい舞台が彼女を待っている。1月にスタートするミュージカル『デスノートTHE MUSICAL』の弥海砂役、あの〈デスノートのミサミサ〉を演じるのだ。ミサミサといえば、ツインテールにゴスロリ風のコスチューム。物語のスパイスになる重要な役どころだ。
「何回も聞き直しました、『ミサミサ? 私が?』って。ミサミサはアイドルで、女の子女の子しているイメージが強かったので、私とはかけ離れているなあって。ツインテールしたことないし、そもそもスカートもあまり履かないんです、私」
 制服以外のスカートは、ほとんど持っていなかったらしい。
「女の子らしいのが苦手でした。プリキュアより仮面ライダーが好きでした。女の子らしくするのが苦手、というか。ですから今月2日の『初恋ロスタイム』完成披露試写会のとき、舞台挨拶に用意していただいた服を見て、びっくりしたんです。だって薄いピンクのワンピース、ですよ!」
 そうは言いながら、着てしまえばそれなりに、似合ってしまうのが吉柳咲良。それが女優というものだよね。