1 タダモノではない新人女優
吉柳咲良
- Magazine ID: 3915
- Posted: 2019.09.16
このところ急に、あちらこちらで名前と顔を見るようになった、吉柳咲良(きりゅうさくら)。現在15歳、現役バリバリの中学3年生だ。
3年前、ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞。当時12歳4ヶ月、史上最年少、小学6年生が果たした快挙だった。翌年にはミュージカル『ピーターパン』に主演し、10代目ピーターパンに。翌年、翌々年と3年続けてピーターパンを演じたこの夏の終わりに、初めての映画『初恋ロスタイム』が公開される。演じるのはもちろん、主人公と恋に落ちるヒロインだ。
「爽やかすぎるくらい爽やかな、青春ラブストーリーです。1日1時間だけ時間が止まる、ロスタイムという現象の中で、板垣瑞生さん演じる主人公の浪人生と、私が演じる高校生の女の子だけが、なぜか時間が止まらずに動ける。そういう中で自転車にふたり乗りしたり、自由に動き回れるという設定です。ですからちょっと不思議なところもあって」
撮影したのは、昨年の夏。中学2年生の夏休み、『ピーターパン』の舞台もこなしながら、夏休みの宿題持参で、撮影現場に通ったという。
「一番記憶に残っているのは、エビフライですね! エビフライ、いっぱい食べました。撮影初日に、映画なんて初めてなので緊張しすぎて、何も食べられない状態で撮影現場に行ったのですが、エビフライを食べるシーンから始まりまして(笑)。その後延々食べ続けたんです」
15歳といえば、初恋年齢。自身で初恋の経験は?
「体験してないです。思い当たる節がないとは言えないけれど、初恋の定義がよくわからなくて。この映画を撮り終えて、〝あれは恋だったのか?〟と改めて考えてみたら〝恋じゃなかったな〟と。よくよく考えてみたら、初恋、まだでした(笑)」
あれれ? ちょっと待って。〈15歳、期待の新人女優、話題作のヒロイン〉と聞いて、そんなイメージでインタビューを始めたけれど、なんだかちょっと超えてる、ような。
「いや、なんかもう、女の子っぽくないんですよ、あまり(笑)」
純粋、ピュア、初々しい。だけど同時に、しっかり、はきはき、自分の思いを臆せずに口にする。アニメ化したら、輪郭線がくっきり、太い感じ。かっこつけたり生意気だったり大人ぶったり、そういう子どもっぽさは微塵もなくて、さらっとフツウに、ひとりの人間として話ができる。
今週のYEOは、このタダモノではない新人女優・吉柳咲良をヒロインに、金曜日まで連日更新。規格超えの人ってホント、面白い!
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出演 :吉柳咲良 きりゅう さくら
2004年4月22日生まれ。栃木県出身。第41回ホリプロタレントスカウトキャラバンPURE GIRL 2016グランプリ。2017年からミュージカル『ピーターパン』に
主演。新海誠監督作『天気の子』ヒロイン天野陽菜の弟・凪役で声の出演を果たす。ヒロイン篠宮時音を演じた映画『初恋ロスタイム』が9月20日から全国ロードショー公開。2020年1月から『デスノートTHE MUSICAL』東京建物Brillia HALL(地方公演も含む)で弥海砂役を演じる。『初恋ロスタイム』
浪人生の相葉孝司(板垣瑞生)は〈自分以外のあらゆるものが突然静止する〉現象に遭遇。しかし彼だけはなぜか動くことができた。街に出るとそこには、自分以外唯一動ける少女・篠宮時音(吉柳咲良)が。毎日同時刻12時15分から1時間だけ起きるその不思議な時間をロスタイムと名付け、ふたりは共に過ごすようになる・・・・。監督:河合勇人 脚本:桑村さや香 出演:板垣瑞生 吉柳咲良/石橋杏奈 甲本雅裕/竹内涼真 9月20日(金)全国ロードショーYEOからお知らせ:YEO専用アプリ
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/