バークリーを卒業したのは昨年、2018年。エイコはジャズ作編曲専攻を、エリコはパフォーマンス学科を、ともに首席で卒業した。
エイコ「成績は良かったですね。成績だけは良かったです(笑)。ほとんど休まなかったし、課題も毎回ちゃんと出して」
エリコ「真面目だったもの、私たち。超優等生でした!」
エイコ「卒業式のとき、もう悔いは無い、と思いました」
 だけどその成績は、今後のミュージシャンとしての活動を保証するものではない、らしい。
エリコ「バークリーには、趣味の延長で音楽をやっているような人もいれば、実技面では天才みたいな子たちもたくさんいました。自国ではヒーロー、みたいな有名人とか、アメリカでも知られている人とか。世界各国の神童みたいな子が送り込まれているんです。私たちは実技だけじゃなく、座学も理論もすべて評価された上での優等生だったけれど、それは学内だけの話。成績は今後の活躍と関係ないんです」
 卒業したら、どうしよう? 在学中、ふたりとも漠然と不安を抱えていたという。そんな中で、ひょんなことから活路を見出した。
エイコ「友達からポップスの連弾アレンジを頼まれたんです。ふだんジャズや作曲をメインに勉強していたので、ポップスとか連弾はトライしたことがなかったんですけど、チャレンジしました。Perfumeの『ポリリズム』やビートルズの『Black Bird』を、ジャズの知識をフル活用してアレンジして、ふたりで演奏してみたら、これが楽しかったんです!」
 このユニットでバークリーの演奏会に出演、演奏を披露したところ、反響は大きかった。
エイコ「長年バークリーで教えている先生が、『今まで見たバークリーのクラスの中で、ベストのパフォーマンスだった』と褒めてくれました。そして『ふたり一緒に活動するべきだ!』と背中を押してくださったんです。そこから、この連弾スタイルでジャズのオリジナル曲を作ろうと思い、最初にできた曲が「Spectral Polyhedral」
今、YouTubeに上がっているので、ぜひ聴いてみてください!」