1 オペラと落語と橋本恵史
橋本恵史
- Magazine ID: 3845
- Posted: 2019.03.18
『落語の語り口が導くオペラ』って、なかなか想像つかないけれど、観てみたらこれが面白かった!(3月2日、世田谷区民ホール)。歌うのは以前YEOに登場したことのある、世界の歌姫・田村麻子さん(15年9月28日掲載)と、すごい美声の持ち主・澤崎一了さん。ピアノは仲田淳也さん。で、司会というかナビゲーターが、自身もテノール歌手である橋本恵史。今週のYEOの主人公だ。
開幕ベルとともに舞台に登場した橋本恵史は、着物姿。見台を前に座布団に座り、オペラ『ラ・ボエーム』のあらすじを語り出した。流暢な語り口、こなれた筋立て、どんどん話を盛り上げる。詩人ロドルフォとお針子のミミの恋物語は、それだけ聞くと「フーン」としか思えないけど、こんなふうに落語のテイで説明されると、なんだか身近に思えてくる。満を持して登場した田村麻子と澤崎一了の歌声が、ビシビシと心に届く。
第2部の『愛の妙薬』も同様に、物語のあらましを落語で知ってから聴くと、なんだか妙に新鮮で楽しい! やるじゃん、オペ落語。しかも橋本恵史は後半、着物の上にコートを羽織り、テノール歌手として歌も歌っていた。
美声だ。うまい。いったいこの人、何者?
ホームページに載っているプロフィールを読むと、意味わかんないくらいあれもこれもチャレンジして、具だくさんな人生を過ごしてきたみたい。
「器用貧乏って言われます。何個職業があるかわかんないんですけど、でも、やれるだけやろうと思ってます。器用貧乏が悪いこととも思っていなくて、器用貧乏のプロになろうと。あわよくば器用金持ちになろうと。トライアスロンの選手みたいな、いや、エンタテイメントの十種競技の選手になれたらいいと思ってます!」
というわけで、今週のYEOの主人公はこの橋本恵史。金曜日まで連日更新しながら、橋本恵史の正体に迫ります。十種競技級にいろんな話が飛び交うので、お楽しみに。
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出演 :橋本恵史 はしもと けいし
1985年生まれ、大阪府出身。大阪音楽大学音楽学部声楽科卒。大阪音楽大学大学院歌曲研究室修了。ハンブルグ音楽院を最高点で修了。オペラ、歌曲、宗教曲、ミュージカルと分野を問わず活躍。主役から脇役、女役まで歌いこなすテノール歌手。またドイツ留学中に落語に開眼。2017年6代目桂文枝の外弟子となり、歌曲亭文十弁(ぶんとうべん)としても活躍の場を広げる。カンボジアを中心とした途上国の音楽教育普及にも尽力している。
ホームページ https://www.keishihashimoto.biz/
インスタグラムhttps://www.instagram.com/keishi_tenor/
【公演情報】
『~Restartここからまた~橋本恵史テノールコンサート』
6月8日(土)昼の部14時30分/夜の部19時
料金4000円(税込み・飲食代別・当日500円up)
六本木クラップス 03-5458-5771
http://c-laps.jp/YEOからお知らせ:YEO専用アプリ
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/