『ショムニ』の好演が評価され、〝女優としてやっていけるかな〟と自信がついたころ、『おみやさん』の七尾洋子役とめぐりあった。
「最初は緊張しました。主役はあの渡瀬恒彦さん、この業界のトップの方ですし、渡瀬さんの相棒のような役ですから、ご一緒のシーンが続きます。『ショムニ』で少しだけついた自信も木っ端微塵になるほど、〝やっぱり私、ダメだ〟って落ち込むこともありました。でも努力して努力して、いろんな角度で自分の役を考えて、工夫しました。渡瀬さんもそんな私を見ていてくださったのか、だんだん笑顔を見せてくださるようになって、一緒にご飯も食べるようになって。それが楽しくて、うれしくて。そんな10年でしたね」
　プライベートでは、30歳のときに結婚。相手はその『おみやさん』パート1のアシスタント･プロデューサーだったとか。
「家が近所だったんです。行動範囲が一緒で、じゃあ一緒に飲みに行きましょう、みたいな。そんな感じでご縁ができました」
　５年後には、赤ちゃんが誕生した。
「すっごい安産でした。その日、どうしても中華料理が食べたくなって、近所の中華屋さんに行ったんです。行く途中から陣痛が始まって、餃子とかラーメン食べている最中にもだんだん陣痛の間隔が狭まってきて、病院に行ったほうがいいかも、と。病院についたらお腹いっぱいなので眠くて眠くて、眠い、痛い、の繰り返しで、そのうちポーンと娘が産まれたんです(笑)」