広尾のとある一室。
女性たちが一心に、大本 京さんのレクチャーに耳を傾けています。歌手を目指す人でもなく、カラオケレッスンでもありません。ここに集まっている16名の方々は、皆さん講師。バッチフラワー、風水や九星氣学、片付け、針灸整体師など、人に教えることを職業にしている方々です。

講座では、ヴォイストレーニング®の基礎である呼吸法、母音と子音、滑舌、話し方やパフォーマンス法などをじっくりと教えています。 3ヶ月のコース期間中、ヴォイストレーニング®部門は、午前中90分と午後6時間の講座が2回、希望者はさらに2時間の発声のトレーニングを月に6日間×3ヶ月、受けることができるそうです。
「皆さん『喉声を治したい』『2時間喋り続けることができない』『サ行がうまく発音できない』など、自己分析はできています。そこで、すぐに上手になる特効薬を求めるわけですが、やはりプロセスが大事です」
大切なことはまず、呼吸法。ヴォイストレーニング®の真髄である大本式呼吸法を京さんが伝授します。
この講座では、声だけでなく、ビューティーやファッションの講座もあり、セルフブランディングのお手伝いをしているそうです。

講座の最後は、一人1分間の自己アピールタイム。一人話し終えると京さんの講評があります。ときに褒め上げ、ときに叱咤激励する言葉に、普段は講師として教えている皆さんが生徒の顔になって聞き入ります。
「声は作るものではありません。自分の声を磨いて、声を育てる方法を伝えたい。その人らしさを失わず、本来の声を生かした、いい音色で響く正しい声の出し方を身につけて欲しいと思っています」
ヴォイストレーニング®は歌う人だけでなく、声を発する全ての人に必要なスキルのようです。インタビューの録音で自分の声を聴くたびに自己嫌悪に陥る私も、身につけたほうがよさそう、と感じています。

ところで、「ヴォイス(ボイス)トレーニング」は和製英語(voice+training)だと知っていますか? 英語圏では“vocal lesson”、教える人のことは“vocal coach” “vocal pedagogists”などと呼ぶそうです。日本語の「ヴォイストレーニング」「ヴォイストレーナー」という言葉を生んだのは、大本恭敬氏。そのため、本稿では登録商標の®を記載しています。

さて、「声」と「歌」にこだわり、大本 京とMIYAKOの二つの顔を持ち、次々と自分の道を切り開いてきた彼女。今後はさらに、さまざまな人との出会いが織りなす、新しい物語が待っているようです。
明日は、次なるステージについて聞いてみましょう。こんどは、世界へ?!

  • 出演 :大本 京  おおもと きょう

    東京都出身。1月24日生まれ。水瓶座O型。小学5年生のころから独学でピアノ、作詞作曲を始め、中学時代にはフォークソングクラブを設立し、学園祭では初めてのライブを体験。高校時代はフォーク村同好会に所属、オリジナル曲でのライブ活動を中心に、ヤマハのポプコンなどにも出場。留学先のボストンのエンディコット・カレッジでは、コマーシャルアートを専攻。卒業後はデザイナー、アートディレクター、カウンセラーなど、多彩な才能を活かし第一線で活躍。1996年、ライフワークである音楽を再開。ニューヨークのカーネギーホール、ホノルルのハワイシアターなど、世界の檜舞台を経験。2009年10月21日、MIYAKOとして念願のメジャーデビュー。「着物 de Jazz」、年2回開催の「MIYAKO & Papa Special Live」など、精力的にライブ活動を行なう。2013年6月、コロムビア・マーケティング(SVACレーベル)より待望のファーストアルバム『白い花の咲くころ』を発売。全19曲入り。歌謡史100年の名曲の数々をジャズ・ピアニストの小泉宏がスウィートジャズコンボ風にアレンジし、MIYAKOが誘う魅惑の世界が完成した。
2014年3月、台湾台北にてコンサート。以降、歌手としてのライブ活動に加え、ヴォイストレーニング講演、セミナー、レッスン活動。2016年11月、コロムビア・マーケティング(SVACレーベル)より2nd.シングル「おぼろながれ」発売。2017年、歌手、ヴォイストレーニングのほか、研修やセミナー、原稿、ラジオ、テレビ出演など幅広く活動。Beauty Branding講座開講、音声アプリ「ヒマラヤ」ラジオデビュー/ヴォイストレーニング®コンテンツ提供、テレビ朝日「今夜、誕生!音楽チャンプ」(辛口)審査員出演、キネコ国際映画祭 オープニング出演など   
    公式ホームページhttp://miyako-creative.com/

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  • 取材/文:加藤いづみ

    コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画、コンテンツ開発のほか、企業のPR冊子を定期的に制作している。
    Facebookページ(不定期更新)https://www.facebook.com/mi.company/

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/