#2 「この道」
大本 京
- Magazine ID: 3636
- Posted: 2017.11.07
大本 京さんは、自宅で行われるヴォイストレーニング®のレッスンを扉越しに聞いて育ったというエピソードがありました。門前の小僧ならぬ隣部屋のお嬢さん。
10月から始まったオーディション番組『音楽チャンプ』(テレビ朝日)では辛口審査員の一人として出演、「鬼のヴォイストレーナー®のDNAを受け継ぐ」というキャッチフレーズで紹介されています。
彼女の父上は歌手であり、日本のヴォイストレーナー®第一人者である大本恭敬氏。
日本の歌手、俳優、タレント1,500人以上を指導したという方です。もう、あの歌手もあのタレントも、みんな習った!という方でして。
前回のYEOでは、「父の話はNG」ということで、たくさんあったエピソードをすべて(泣く泣く)カットしたのですが、今回はOKというか「仕方ないな(苦笑)」と許可をいただき、お話をうかがうこともできました。
京さんが歌手になることには反対だったのでしょうか?
「反対というか……この業界で大本は俺一人、と思っていますから。80歳になる直前までテレビのレギュラー番組もあったしね。芸能界での活動も交友関係も、強烈な時代を生きてきただけにしがらみもあるので、彼女は関わらない方がいいと考えていました。まあ80過ぎた今は、家内と好きなことをして静かに暮らしたいと思っていますけどね」
いえいえ、まだまだ血気盛んとお見受けしました。
「MIYAKO & Papa」と銘打って親娘で年2回のライブを行うようになったのは、
2010年のクリスマスから。あるとき、ヴォイストレーニング®の講習を終えた恭敬氏が「俺は教えるよりも自分で歌いたいよ」とぼやき「じゃあ、一緒に歌う?」と阿吽の呼吸でライブの開催が決定したそうです。
年末のライブに向けて、リハーサルをすると聞いてスタジオにお邪魔しました。コーラスはEXCELLAND、ピアノは小泉宏氏です。歌謡曲ファンなら知らない人はいない、あのニューブリードのピアニスト! と心の中で身悶えするも、そこは取材ですから冷静に音合わせの様子を見守ります。
父娘それぞれが候補曲の楽譜を用意し、一曲ずつ歌ってみて、コンサートの企画を担当する恭敬氏がチェック。セットリストに反映します。
この日は「日本歌曲」というテーマで、恭敬氏から何曲か提示されました。「美しき天然」「かなりや」「さくら貝の歌」「この道」など、どこかで聞いたことがあるけれど懐かしいというほどには知らない名曲の数々。
「この曲はよく知らない」と京さんが言うと、小泉氏がピアノを奏で、恭敬氏が歌って聴かせます。動画共有サービスが発達した時代ながら、オリジナル音源を探すことが難しい曲ばかり。その時代を知るお二人から口伝えで聴くことは、たいへん贅沢なことだと感じました。
さて、結局のところ、父と同じ道に進んだ大本 京さんですが
歌手MIYAKOのデビューは、ヴォイストレーナーとして活動する中で起きた、ある出来事がきっかけでした。
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出演 :大本 京 おおもと きょう
東京都出身。1月24日生まれ。水瓶座O型。小学5年生のころから独学でピアノ、作詞作曲を始め、中学時代にはフォークソングクラブを設立し、学園祭では初めてのライブを体験。高校時代はフォーク村同好会に所属、オリジナル曲でのライブ活動を中心に、ヤマハのポプコンなどにも出場。留学先のボストンのエンディコット・カレッジでは、コマーシャルアートを専攻。卒業後はデザイナー、アートディレクター、カウンセラーなど、多彩な才能を活かし第一線で活躍。1996年、ライフワークである音楽を再開。ニューヨークのカーネギーホール、ホノルルのハワイシアターなど、世界の檜舞台を経験。2009年10月21日、MIYAKOとして念願のメジャーデビュー。「着物 de Jazz」、年2回開催の「MIYAKO & Papa Special Live」など、精力的にライブ活動を行なう。2013年6月、コロムビア・マーケティング(SVACレーベル)より待望のファーストアルバム『白い花の咲くころ』を発売。全19曲入り。歌謡史100年の名曲の数々をジャズ・ピアニストの小泉宏がスウィートジャズコンボ風にアレンジし、MIYAKOが誘う魅惑の世界が完成した。 2014年3月、台湾台北にてコンサート。以降、歌手としてのライブ活動に加え、ヴォイストレーニング講演、セミナー、レッスン活動。2016年11月、コロムビア・マーケティング(SVACレーベル)より2nd.シングル「おぼろながれ」発売。2017年、歌手、ヴォイストレーニングのほか、研修やセミナー、原稿、ラジオ、テレビ出演など幅広く活動。Beauty Branding講座開講、音声アプリ「ヒマラヤ」ラジオデビュー/ヴォイストレーニング®コンテンツ提供、テレビ朝日「今夜、誕生!音楽チャンプ」(辛口)審査員出演、キネコ国際映画祭 オープニング出演など
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取材/文:加藤いづみ
コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画、コンテンツ開発のほか、企業のPR冊子を定期的に制作している。
Facebookページ(不定期更新)https://www.facebook.com/mi.company/撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/