#2 そうだ、DJになろう!
イケメン評論家・沖直実
- Magazine ID: 3426
- Posted: 2016.12.06
同姓同名の女優さんの現場マネジャー兼付き人として、いきなり業界のど真ん中に突入。そのまま現場の水に馴染めるほど、芸能界は甘くなかった。
「まずは商業演劇の舞台のお仕事でした。ただしきたりが厳しく、とにかく知らないことばかりで・・沖さんは本当に優しく根気強く教えてくださったのですが素人がいきなり舞台の世界に飛び込んだので本当に大変でした。周りの人もいろいろ教えてくれたり励ましてくれたり皆さん本当に優しかったです。ただ私の体力、気力が持たず急性胃炎になってしまって倒れてしまったりで迷惑をかけたので1年やらせて頂き辞めさせて頂きました。その後もずっと仲良くさせて頂いていました。」
そこで彼女は考えた。自分は本当は、何をやりたかったのだろう?
「思い出したんです、中学高校と、ラジオの深夜放送が大好きで、いつかラジオDJをやりたかったんですよ。でもラジオ業界にまったくツテはないし、さてどうしようかと」
駆け込んだのは人材派遣会社。ラジオ局を希望し、首尾良くTBSラジオに採用された。
「でもそれが、いきなり局長秘書だったんです。こんなに秘書らしくない秘書はいないっていうほど向いてないのに(笑)」
そこで働きながら、ひそかに制作現場に潜入。ディレクターに直談判を決行した。
「『実はラジオでしゃべりたいんですけど、どうしたらいいですか?』って、いろんな人に聞いたんです。誰も相手にしてくれなかったけど、1年くらい言い続けていたらある日、女性のディレクターさんが、『さすがにバイトちゃんを採用することはできないけど、そんなに言うなら、空いているスタジオであなたのデモテープを作ってあげる。あとは自分で頑張りなさい』って」
自分で原稿を作り、3分程度のデモテープを製作した。
「それを死ぬほどダビングして、各ラジオ局の編成部と制作部に送ったんです。FMとAM、30局くらい送って、あとはア行からワ行までの制作会社にも全部、送りました」
その中のたった1社、ラジオ日本が半年後、連絡をくれた。女性ふたりでやっている4時間の生放送番組、ひとりの女性が辞めるので、後釜にどうか、と。
「次の月から、4時間の生放送をやらせていただくようになりました!」
さらにその1年後、オーディションを受けて、次の番組をゲットした。
「FM東京の全国ネットで深夜3時から朝6時まで3時間の生放送で、それは女性ひとりで担当する番組『まんたんミュージック』でした。挑戦してみたら、なんと80人の中から私が受かっちゃったんです」
気が付けば、夢にまで見たラジオDJになっていた。
ダイジェストで過去を語ってもらうとトントン拍子のように見えるけど、実はずっと闘い続けた日々。実現するまで諦めなかったからこその、今なのだ。
「とにかく諦めが悪いって、自分でも思います。とにかくこの業界でババアになっても(笑)ずっとしゃべり続けたい。しゃべり続けるためにはどうしたらいいんだろうって、しゃべれる場所をいつも探している。終わらないんです」
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出演:沖直実(おき なおみ)
ラジオパーソナリティ、MCなどで活躍する一方、2004年から企画・プロデュース、演出、司会すべてを担当する『いい男祭』を開催。イケメン評論家としてフジテレビ『ノンストップ』をはじめ多くの情報番組に出演している。ブレイクする前の斎藤工、上地雄輔、城田優、めちゃいけのレギュラーの敦士くん等、いち早く目をつけた。
連絡先 株式会社ティーワン 03-3377-1328 okinaomi7@gmail.com
オフィシャル・ブログ http://ameblo.jp/okinaookinao/取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/