そんな新納忠幸さんが今年から、新しい挑戦を始めた。その名も『次世代スター応援PROJECT〝Generation　Next〟』。有名なドイツのヘアケア・プロダクツのメーカー、シュワルツコフが、〈世界を舞台にセミナー、ショー、フォトセッションなどで活躍する次世代スターを応援・教育する〉活動で、その１期生５人の中のひとりに選ばれたのだ。世界レベルで通用する美容技術とクリエイティビティ、そしてそれらを発信するためのコミュニケーション力をつけるためにこれから３年、みっちりと勉強していくという。

「今までもヘアだけでなくメイクアップのコンテストで賞をいただくことが多かったんですが、今後はこのジェネレーション・ネクストの活動を通じて、カットやカラー、パーマの技術をぐっと高めていきたい。プロジェクト・アンバサダーの川島文夫先生(写真 右)はじめ、業界のカリスマ的な方たちにいろいろ教えてもらえるんです。これに参加すれば、もっともっとトータルで強いサロンになれると思います」

　カラーだけで何万円もするロンドン仕込みのサロンや、ニューヨークで人気のカッティングなどなど、日本の美容シーンでは未だに海外のブランド力が絶大だ。だけどかつて〝ハクをつける〟ためだけにニューヨークに渡った新納さんは、もういない。

「一番大事なのは、目の前のお客さんです。海外に行っても、どこに行っても通用する美容師だからこそ、今ここであなたの髪を扱っているんです、と、伝えたい。ロンドンにもニューヨークにもパリにも素晴らしいスタイリストがいるし、その技術はたしかに素晴らしいけれど、どこにいても、やれる人間はやれる。情報はいち早くゲットしていろいろな技術を知り、それを学んだ上で、今ここで提供したいと思うんです」