そろそろ夏本番、毎日汗だくになって仕事場に向かう人も多いと思うけど、運動で流す汗はまた格別らしい。

「私のレッスンを受ける生徒さんから〝こんなに汗がかけるレッスン、他にないです〟とよく言われます。スタジオに入ってきたときと出ていくときの顔がひとまわり違う。汗をかいて余分な水分を出して、顔が小さくなって帰っていくんです(笑)。それに汗をかいていると肌がキレイですよね。私は運動を始めてから肌トラブルがなくなったし、ファンデーションも塗らなくなりました。いつも汗をかいていると、汗がサラサラで水みたい。汗の臭いもしません。汗が臭いという人は、運動不足なんじゃないかな」

 で、その汗をかくレッスン、どうやって作るんですか?

「細かくリズムを取るよりも、ダイナミックに全身をくまなく使える振付を心がけています。最初にウォーミングアップとして太ももや胸、背中と大きな筋肉を温めて、そこから足を止めることなく、有酸素運動を続けて徐々に心拍数を上げていくんです。さらに途中でちょっとリズムチェンジしたり、スクワットを入れたり、一瞬動きを止めてみたりします。するとそれだけで使う筋肉が違ってきて、汗がさらにばーっと出るんです」

 45分のレッスンの、終盤10分間は汗ダラダラの大盛り上がり。

「みんなヒューヒュー声を出して踊ってくれます(笑)。本当に笑顔で、達成感がすごい。来るときは、今日はだるいし体が重いし面倒くさいなって思っても、終わったあとは〝あー、スッキリした!〟って」

 動いた後は、やっぱりお肉。タンパク質の補給は欠かせない。おいしい肉を求めて、わざわざ電車に乗ってここ、下高井戸のお肉やさん『焼き肉スタミナキング』まで買いに来るという。

「ここでいつも買うのは赤身のロース、あとは上ハラミを塩で。ウチにはちゃんと油が落ちる焼き肉プレートがあって、いつもそれで食べています。もちろん牛肉だけじゃなく、鶏肉や豚肉も、ジンギスカンも食べますよ」

 豪快に動いて踊って、ガッツリ肉を食べる。スポーツ・インストラクター、天職ですね?

「芸能活動に戻りたいとは思いません。ひとりでも多くの人が運動に親しんでくれるように、フィットネス人口を増やしていくために私ができることをしていきたい。ライブやテレビ出演もあるかもしれませんけど、あくまでもスポーツインストラクター松野有里巳としてやっていきます。そう思えるということは、これが天職かもしれませんね(笑)」

  • 出演:松野有里巳(まつの ありみ)

    1973年東京生まれ。1989年アイドルグループ『ribbon』として佐藤愛子・永作博美と3人組でデビュー、1995年に活動休止。その後は歌手・女優として活動していたが25才で結婚して芸能界を引退。専業主婦になってからスポーツジムに通うようになり、35才でインストラクターの資格(JAFA認定エアロビックダンスエクササイズインストラクター)をとった。エアロビクス、ヨガ、ピラティス、フラダンスなどさまざまな講師の資格をとり、人気インストラクターに。2013年自ら考案したダンスエクササイズを『松野有里巳のアゲアゲダンスDVD付(DVD BOOK)』(ベースボールマガジン社刊)として発表した。

    オフィシャルブログ「おいしい毎日」http://ameblo.jp/arimi-matsuno/theme-10096209237.html

    『あげてこ体操 アゲアゲダンス2』

    『アゲアゲダンス』を出した3年前、〈ダンス〉というだけで敬遠する人が多いことに気付いた松野さん。運動の楽しさを多くの人に伝えるため、もっと簡単で、老若男女・誰でもできる簡単な動きを中心に、今回は〈体操〉を提案。大きな筋肉を動かし、代謝を良くして体を元気に、気分をアゲてくれるエクササイズを提案している。椅子に座ってもできるバージョン、より激しい動きをしたい人向きのダンスバージョンなど、中身は盛り沢山。オリジナル楽曲は夫のたかはしごうさんが作曲、もちろん歌っているのは松野有里巳さん自身だ。
    ★問い合わせ先 スクロール 03-3225-3081 http://www.scroll2003.com/contact/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/