もう一方の新曲『時代のヒーロー』は〝オラオラやる気だせ!〟的な歌。

松尾 自分たちのロックで今というこの時代に風穴を開けてやるって、ずっと思っているんです。大きすぎる野望です(笑)。でも自分を奮い立たせるのは、自分しかいない。私を未来に導いてくれるヒーローは、自分の中にしかいない。それはこの曲を聴いているあなたもそうだよって、伝えたくて。

『話をしよう』と『時代のヒーロー』、こうして新曲を並べると、GLIM SPANKYの新しい一面が見えてくる。なんだかすごく前向きで健全なメッセージ。

松尾 今までのGLIM SPANKYの個性はもちろん残しつつ、ここで新しい引き出しをひとつ、作った感じですね。これまでは私小説というか日記というか、自分の感性だけで書いたものが多かったけれど・・・。

亀本 自己満足系?

松尾 そう。でも音楽的にもっと大きなところに行きたいので、意地でもみんなに届く言葉を使おう、3年前の自分だったら絶対書かないような言葉をあえて使おうとしてますね。当たり前のふつうの歌詞でも、私が歌えばクサイ歌詞では終わらせない、クサイと思わせない。ただの〝愛してる〟でも私が歌えば、本気の〝愛してる〟になる、くらいの心意気です(笑)。GLIM SPANKYの音の衝撃とかロックの熱をふつうの言葉に乗せることによって、王道のロックになるような気がするんですよ。

亀本 音も、どんどんアップデートしていくつもりです。仁王立ちしてエレキギター弾いて、ひずんだ音で勝負するのもカッコイイけど、曲によっては〝なんか違うことやってる!〟と楽しんでもらえるように。

松尾 根底のGLIM SPANKYは絶対曲げません。ロックなのは大前提として、その上でどう自分たちをセルフプロデュースできるかが、これからの課題だと思う。

亀本 売れ線になってつまんなくなった、で消えるか、グリムって本当に言葉が心に入っていくよねって言われるか。それは僕らの実力次第だから、そこは勝負し続けないとね。

新曲「話をしよう / 時代のヒーロー」デジタルリリース

1月に発売したミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』以来のリリース
■リリース情報

配信リリースEP「話をしよう/時代のヒーロー」

4月15日~バンドルプレオーダー開始&「話をしよう」単曲先行配信

5月13日~バンドル配信開始(価格:¥750)
<収録内容>

1.話をしよう(NHK Eテレ「境界のRINNE」第2シリーズEDテーマ)

2.時代のヒーロー

3.踊りに行こうぜ(2015.10.17赤坂BLITZ Live版
)
4.FLOWER SONG (2015.10.17赤坂BLITZ Live版)

5.ロルカ(2015.10.17赤坂BLITZ Live版)
■ライブ情報

『Velvet Theater 2016』

7月9日(土)17:00開場 / 18:00開演

会場:東京キネマ倶楽部
一般発売:5月28日(土)

  • 出演:松尾レミ(まつお れみ 24歳・Vocal・Guitar)、亀本寬貴(かめもと ひろき 25歳・Guitar)

    60~70年代のロックとブルースを基調にしながら独自の世界観を構築する男女2人組新世代ロックユニット。長野県の同じ高校に通っていた2人が出会い、2007年に結成。2009年「閃光ライオット」のファイナリストに選出。2014年6月1stミニアルバム『焦燥』でユニバーサルミュージックVirgin Musicよりメジャーデビュー。2015年7月22日に発売した1stアルバム『SUNRISE JOURNEY』はiTunesのロックアルバムランキングで最高位3位を記録、2016年1月27日にリリースした2ndミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』はiTunesロックアルバムランキングで最高位2位を記録。昨年夏からJOIN ALIVE、FUJI ROCK、SWEET LOVE SHOWER、年末のRADIO CRAZY、COUNTDOWN JAPANなど大型フェスにも出演し、オーディエンスを湧かせるとともに熱い注目が集まっている。

    オフィシャルサイト http://www.glimspanky.com/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/