このキレイなおねいさんは、白羽ゆりさん。
 宝塚ファンの人なら誰でも知ってる、娘役トップスターだった方だ。
 それだけじゃない。同僚やファンはみな、彼女のことを〝姫役者〟と呼んでいた。
 華やかな美貌と高貴なたたずまい、控えめで上品な物腰。
 その称号は、娘役に求められるすべての条件をクリアした存在にしか、与えられない。

「マリー・アントワネットやエリザベートなど、娘役なら誰もが憧れる役をやらせていただく機会が多かったので、〝姫役者〟と呼んでいただけたのはそのおかげもあると思います。宝塚には本当に大事に育てていただきました」

 さすがの、お姫さま風コメント。でも、と、白羽さんの言葉は続く。

「でも、そこに留まっているわけには、いかないんです。宝塚を退団したのが30歳のとき。芸能界に入って、また一から女優という仕事を始めて6年経ちます。ですから舞台のキャリアは長いんですけど、気分はまだまだ新人なんですよ(笑)」

 お姫さまを卒業して、彼女が最初にしたことは? 明日へ続く!

  • 出演:白羽ゆり(しらはね ゆり)

    1978年生まれ。福島県出身。98年に宝塚歌劇団に入団。05年に星組トップ娘役に、07年からは雪組トップ娘役をつとめ、『エリザベート』のタイトルロールなど大役を演じた。09年に退団して女優に。『シェルブールの雨傘』のジュヌヴィエーブ役、『銀河英雄伝説』のアンネローゼ役などを演じ、昨年から『ピーターパン』のダーリング夫人、タイガー・リリー役にも挑戦。活躍の場を広げている。

    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/yuri-shirahane/

    『ピーターパン』

    7月20日(月・祝)~30日(木)東京国際フォーラム ホールC
    ホリプロチケットセンター03-3490-4949
    ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『BAILA』『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/