「落語家になるまでの流れですか？　そうですね、大学３年から就活はしてたんですよ。個別指導教師と家庭教師のバイトをやっていて教えるのは好きだったので、けっこうな倍率をくぐり抜けて某有名予備校の内定をもらいました。

　そのとき、落研が役に立ったんです。最後のほうの面接試験で『授業の導入部に学生たちに話しかけるという設定で、ちょっとやってみて下さい』ってリクエストされたんですよ。それ、落語でいうところの〝まくら〟ですから、慣れてますからね。他の学生さんたちはアタフタしていたけど、私は面接官に向ってトークを展開してました。自分でやっていても楽しくて、就活しながら『あ、落語家のほうが向いているかもしれない』って、この時うっすら思ったのを覚えています。

　で、予備校から内定の電話をもらったときに、〝これで一生決るくらいだったら、一回くらい自分の人生やろうかな〟って、断っちゃった。

　その後大学院まで行ったのは、モラトリアムですね。家を出てひとり暮らしを始めて、１年くらい研究を続けてみたんですけど、なんか違うような気がして。教授に『やめます』っていうのとほぼ同時期に、弟子入りのお願いを、はい、私の師匠の立川談春に、です」

  • 出演：立川こはる（たてかわ　こはる）

    1982年10月７日生まれ。東京都港区出身。東京農工大学大学院中退。2006年３月立川談春に入門。2012年６月二つ目昇進。

    撮影協力

    巣鴨庚申塚スタジオフォー
    お江戸日本橋亭

    立川こはる公演情報

    ●「こはるの冬休み～立川こはる落語界～」１月23日(金)19時開演　横浜にぎわい座　http://nigiwaiza.yafjp.org/perform/?p=5852

    ●「道楽亭出張寄席　イキのいいのが五人会」1月28日(水) 19時開演　深川江戸資料館　小劇場　http://dourakute.blog55.fc2.com/

    ●立川こはる勉強会　２月６日(金) 19時半開演　高円寺GALLERYエ＋with 03-3313-5065　

    ●立川流二つ目四人会　２月15日(日) 14時開演　調布市文化会館たづくり　くすのきホール　http://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=2050

    ●「桂雀々の大判小判がじゃくじゃく～BS12お宝噺～」（毎週土曜20時～21時放送中）の1月17日オンエア分に出演。再放送は24日・31日

    立川こはる公式ホームページ　http://www.tatekawakoharu.com/index.html

  • 取材／文：岡本麻佑

  • 撮影：萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/

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