シャンソンて、なんだかよくわからない。ピアフとかイヴ・モンタンが歌っていた、あれでしょ? NHKの朝ドラ『花子とアン』で蓮子さまが駆け落ちするときにかかっていた美輪明宏さんの『愛の讃歌』も、たしかシャンソン。なんか、高尚な? 大人の音楽? ・・・・っていうのが、今の日本の一般的なシャンソン観じゃないだろうか。

 そんなあなたにお奨めしたいコンサートが、年明け早々開かれる。1月9日、浜離宮朝日ホールで開宴の『桑山哲也のビストロ〝ヌーベル・シャンソン〟』だ。

 言い出しっぺはあの、桑山哲也さん。最近バラエティ番組でも活躍中だけど、実は日本を代表する超一流のアコーディオン奏者。シャンソンの伴奏には、この人のアコーディオンは欠かせない。その彼が若手&実力派&美形の女性シャンソン歌手を3人集めて、ひと味違うシャンソン・コンサートを企んでいる。

「実力のある若手シンガーが思う存分歌える場が、日本には少ないんです。シャンソンは年齢を重ねるほど味が出るから大御所の歌手も多くて(笑)、それは素敵なことなんですけど、新参者はなかなかメインストリームに乗れない。それ、もったいないし、ちょっと可哀想だと思うんです。
 しかも日本では、シャンソンといえばかつての名曲を歌い上げるもの、という思い込みというか決めつけが多くて、すごく窮屈なジャンルになっている。シャンソンは、フランス語で『歌』という意味ですから、ポップスでもジャズでもラテンでも、すべて歌はシャンソンなんです。
 ですから僕がこれから目指すのは、J-シャンソン。これ、加藤登紀子さんの作った言葉ですけど、日本発信で、日本人の感性で、良い歌をじっくり聴いて楽しんでもらうのが、僕の狙いです」

 というわけで、明日からは3人の美人シャンソン歌手が登場。お楽しみに!

  • 出演(左から):劉玉瑛(りゅう ぎょくえい)

    兵庫県出身。2003年より風かおる氏に師事。2006年第22回全日本アマチュアシャンソンコンクールでグランプリを受賞。2009年より活動拠点を東京に移し、幅広いファン層から支持を得ている。

    樋口亜弓(ひぐち あゆみ)

    大分県出身。高校卒業後に上京。四谷三丁目にあるワールドミュージックライブハウス『una canzone』を中心に歌い始める。2009年に1年間フランスに遊学。現在は都内を中心にシャンソン、カンツォーネ、ポップス、自身のオリジナルなどジャンルにこだわらずに歌っている。

    桑山哲也(くわやま てつや)

    1972年札幌生まれ。10代から札幌でプロ活動をスタート。1996年に渡仏し、シャルトル・アコーディオン・フェスティバルに最年少で出演した。2000年から本格的にソロ活動を開始し、これまでに8枚のアルバムをリリース。近年は夫人で女優の藤田朋子と共にバラエティ番組にも出演している。

    えりんぬ

    国立音楽大学ピアノ科卒。吉祥寺を中心に都内ライブハウスやイベントに定期出演。オリジナル楽曲を元JUDY AND MARYドラマーの五十嵐公太氏が編曲、久住昌之氏原作のテレビ東京『孤独のグルメ』シーズン3&4の音楽に楽曲提供、演奏するなど、幅広く活動している。

    桑山哲也のビストロ”ヌーベル・シャンソン” インフォメーション http://www.horipro.co.jp/kuwayamatetsuya/

    衣装協力:Yohji Yamamoto Inc.

    撮影協力:Royal Garden Cafe 青山 http://www.royal-gardencafe.com/shop_aoyama.html

  • 取材/文:岡本麻佑

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/