#4 0か100かのオフタイム
若村麻由美
- Magazine ID: 1681
- Posted: 2014.09.25
「とにかく面白い人なんだよ」と、萩庭カメラマンが太鼓判を押すように、日の出の話にしても、富士山の話にしても、若村さんが語るエピソードは、どれも非常に興味深い。
ご自分では、自分をどんな性格だと思っているのだろう?
「ひとことで言うと、“せっかちグズ”という表現がピッタリですね。思い立ったら、すぐにパッと行動したい自分と、“どうしよう、どうしよう”とグズグズ悩む自分が同居していて。それがあまりにも両極端すぎて、常に0か100 なんですよ。若い頃はそんな自分自身に振り回されていたときもありました。この年齢になって、ようやく落ちついてきましたけれど」
たとえば、休日の過ごし方ひとつとっても両極端。芝居を見て、映画を見て、美術館に行ってと、朝から晩まで飛び回っている日もあれば、1日じゅう窓の外を見て、ひたすらボーッと過ごす日も。
「朝、起きて、ふと気がついたら夕方だったみたいな。しかも、窓辺でずーっと同じ姿勢で座っていたので、手がしびれて動かない(笑)。とにかく、朝、起きてみないと、その日の気分がわからないので、子どもの頃から、翌日に着る洋服を前の晩に準備することが絶対にできませんでした。今でも、とにかく起きてみないことには、その日の自分のモードがわからなくて」
“せっかち”モードの休日に、よく足を向けるのは美術館。サントリー美術館や新国立美術館がお気に入り。
「絵だけでなく、舞台も歌舞伎も音楽も好きですね。目の前に本物があるという迫力はなにものにも変えられません。近頃はネット社会ですから、どんな名画でもインターネットで簡単に見られます。だけどやっぱり生の迫力はぜんぜん違う。私も、そんなライブならではのパワーを、みなさんに伝えられる役者でありたいですね」
20歳のときに、NHK連続テレビ小説『はっさい先生』のヒロインとして、本格的にデビュー。それからすでに四半世紀が過ぎた。役者として、若村さんがこれから目指しているのは、どんな境地なのだろう?
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若村麻由美
東京都生まれ。無名塾出身。NHK連続テレビ小説『はっさい先生』でヒロインとしてデビュー。エランドール新人賞を皮切りに、数々の賞を受賞。ドラマ『夜桜お染』『白い巨塔』『Wの悲劇』『鴨、京都へ行く。』『科捜研の女』、映画『蒼き狼~地果て海尽きるまで』『臨場』、舞台『リア王』『マクベス』『カリギュラ』『テレーズ・ラカン』『頭痛肩こり樋口一葉』『鉈切り丸』ほか多数出演。
最新舞台『ブレス・オブ・ライフ』新国立劇場 10月8日(水)~10月26日(日)、兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール 11月1日(土)
クリスマス特別公演『未来創伝』語舞踊『書く女』京都・京都芸術劇場春秋座12月25日(水)
公式サイトhttp://www.tristone.co.jp/
公式ブログ http://syunca.at.webry.info/
『ブレス・オブ・ライフ』公式サイトhttp://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/141001_003729.htm
『未来創伝』公式サイトhttp://thinkplus.heteml.jp/miraisouden.com/
「原典・平家物語を聴く会」公式サイトhttp://www.heikemonogatari.jp/
「富士山クラブ」公式サイトhttp://www.fujisan.or.jp/ -
スタイリスト:岡のぞみ
アシスタント:日吉奈緒子
衣装協力:ネイビーワンピース
OTTO D’AME
( STOCKMAN 03-3796-6851 )
http://www.stockman.co.jp/brand/ottodame.html/ヘア:土屋雅之(Aio-N GINZA)
メイク:森下真奈美(Aio-N GINZA)
取材・文:内山靖子
ライター。成城大学文芸学部芸術学科卒。在学中よりフリーのライターとして執筆を開始。専門は人物インタビュー、書評、女性の生き方や健康に関するルポなど。現在は、『STORY』『HERS』(ともに光文社)、『婦人公論』(中央公論新社)などで執筆中。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/