#2 「毎日が初日の出」の心境で
若村麻由美
- Magazine ID: 1679
- Posted: 2014.09.23
10月に新国立劇場で行われる舞台『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』の役作りのために、ウエストまである長い髪をばっさり切ることにした若村麻由美さん。
いざハサミを入れるその瞬間、正直、どんな心境ですか?
「ふふふ、断髪式って感じですね。以前にも1度だけ、自分の手で長い髪をジャキッと切ってみたことがあるんです。その瞬間に、それまで自分の一部だったものが切り離されたという感覚が心臓まで伝わってきて、かなりスリリングだったんですよ」
若村さん曰く、髪を切り、鏡に映った自分の姿がガラッと変わると、まるで新しい朝を迎えたような気持ちになるとか。
「私、毎日、同じことの繰り返しという生活が苦手なんですよ。毎朝、同じ電車に乗って、同じオフィスに通うという生活は多分出来ない。役者としても自分のイメージを“これ”って限定したくはありません。声をかけていただけるなら、どんな役にでも挑戦したい。自分の振り幅をできるだけ広げたいんですね」
自らを“臆病な冒険者”と称する若村さん。「自分にできるだろうか?」と不安になるような役柄のオファーが来たときは、最初はビクビクと逃げ腰に。だが、いったん「やろう!」と覚悟が決まると、まるで命綱をつけずに断崖から飛び降りるように、どんな役にでも全身全霊でなりきっていく。
「新しい髪形、新しい役、新しい試みに挑戦するのは、確かに勇気の要ることです。でも、私は常に“毎日が初日の出”の心境で、人生を過ごしていきたいと思っているんです」
え、毎日が初日の出? それは具体的に言うと、どんな心境なんですか?
「太陽は毎朝昇ってくるのに、なぜ元旦の朝だけ、みんなが日の出を拝むのか。子どものときにすごく不思議に感じたんですね。確かに、日の出を見ると心が洗われて新たな気持ちになれる。だったら元旦だけに限らず、“毎朝が初日の出!”という気持ちで朝日を浴びて、1日1日を新鮮な心で生きていきたいなって」
実際に若村さんは、可能な限り、毎朝、日の出を拝んでいる。仕事で地方に泊まりに行ったときなどは、どちらの方角から日が昇るのか、前の晩に必ず確認してから寝るという。
「日の出を見ると、“今日も新しい朝がやってきた”と元気が湧いてくる。もしかして、私はソーラー充電で動いているのかもしれません(笑)」
毎朝、太陽の光を浴びてパワーを充電。そんな若村さんには、もうひとつユニークな日課が。それはいったい、どんなこと? 続きは明日のお楽しみ。
-
若村麻由美
東京都生まれ。無名塾出身。NHK連続テレビ小説『はっさい先生』でヒロインとしてデビュー。エランドール新人賞を皮切りに、数々の賞を受賞。ドラマ『夜桜お染』『白い巨塔』『Wの悲劇』『鴨、京都へ行く。』『科捜研の女』、映画『蒼き狼~地果て海尽きるまで』『臨場』、舞台『リア王』『マクベス』『カリギュラ』『テレーズ・ラカン』『頭痛肩こり樋口一葉』『鉈切り丸』ほか多数出演。
最新舞台『ブレス・オブ・ライフ』新国立劇場 10月8日(水)~10月26日(日)、兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール 11月1日(土)
クリスマス特別公演『未来創伝』語舞踊『書く女』京都・京都芸術劇場春秋座12月25日(水)
公式サイトhttp://www.tristone.co.jp/
公式ブログ http://syunca.at.webry.info/
『ブレス・オブ・ライフ』公式サイトhttp://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/141001_003729.htm
『未来創伝』公式サイトhttp://thinkplus.heteml.jp/miraisouden.com/
「原典・平家物語を聴く会」公式サイトhttp://www.heikemonogatari.jp/
「富士山クラブ」公式サイトhttp://www.fujisan.or.jp/ -
スタイリスト:岡のぞみ
アシスタント:日吉奈緒子
ヘア:土屋雅之(Aio-N GINZA)
メイク:森下真奈美(Aio-N GINZA)
撮影美術協力:アイロニー http://www.illony.com
取材・文:内山靖子
ライター。成城大学文芸学部芸術学科卒。在学中よりフリーのライターとして執筆を開始。専門は人物インタビュー、書評、女性の生き方や健康に関するルポなど。現在は、『STORY』『HERS』(ともに光文社)、『婦人公論』(中央公論新社)などで執筆中。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/