ヨーロッパを学んだ大学生活
野村佑香
- Magazine ID: 1563
- Posted: 2014.02.03
1990年代後半、ローティーンのジュニアアイドルが脚光を浴びた時期があった。少女たちは「チャイドル」(チャイルド+アイドル)と呼ばれた。ブームを牽引したひとりが、野村佑香さんだ。お会いしてみると、元気で張りのある声は以前と変わらない。いや、声だけでなく容貌も過去のイメージどおり。
野村さんは高校卒業後に大学へ進学、一時期芸能界を離れていた。大学で学んだのは、ヨーロッパ文化だ。
「もともと外国に興味があったのですが、文学ではなく、文化や人に興味がありました。でも、文化に特化している大学がほかになかったので」
一校だけ受けようとしたが他校も受けるよう周囲に言われ、受験する。推薦入試やAO入試ではなく、一般入試だ。そして第一志望に現役合格。入学後は徐々に仕事を減らし、大学3年から卒業までの2年間は学業に専念したという。
同じ大学で別の学科を卒業した身なので、彼女がいかに真面目で優秀だったかが非常によくわかる。ヨーロッパ文化学科はフランス語かドイツ語のいずれかを主言語としてみっちり勉強しなければならないし、授業の内容も多岐に渡り、さぼることができない厳しい学科なのだ。だから、最初の2年間仕事をしていたということに、むしろ驚く。
卒業旅行で行ったヴェルサイユ宮殿では、原書で読んだ内容を思い出しながら、「ルイ16世が毎朝ミサに行ったのはここだったんだ!」などと、授業で学んだ事実を実際の場所で確認したそうだ。これぞ正しい卒業旅行ではないか。
そうして大学生活が終わろうとするとき、友人たちが就職について悩むなか、彼女は再び芸能界で仕事をしようと決意する。自分は表現する仕事がしたいのだ、という内なる声に導かれて。
「もう一度、ゼロからのスタートです。何もこわいものはないと思って仕事を始めました。私のやりたい仕事は、ほかにないから」
活動を再開したからといって、すぐに仕事がくるものではない。女優・野村佑香の再出発は順風満帆とはいえなかった。だが、27歳のときに出演したテレビ番組が、彼女の転機になる。
彼女を表す肩書きに、「船旅をする女優」が加わった。
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出演:野村佑香
1984年3月20日生まれ。神奈川県横浜市出身。魚座・0型。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業。3歳でモデルデビュー後、小5の時に『パパ・サヴァイバル』でドラマデビュー。その後『木曜の怪談 怪奇倶楽部』等ドラマに出演。CM、舞台、映画なども出演を重ねる。健康になるための「食」に関するイベントや活動も幅広く勉強、参加中。NHK BSプレミアム『ぐるっと長靴4000キロ~イタリア半島・港町巡り~』『ぐるっと北欧5000キロ~スカンディナビア半島・港町巡り~』(2011)、『ぐるっとイギリス3500キロ』(12)、『ぐるっとマレー半島5200キロ 海のシルクロードをゆく』『ぐるっとインドシナ半島3000キロ 豊かさと悲しみの大地をゆく』(13)、『ぐるっと黒海4000キロ アジアと欧州の交差点を行く』(14)に出演。最近では、フジテレビの浅見光彦シリーズ『不等辺三角形』のヒロインや、東海テレビ系『潔子爛漫~きよこらんまん~』で個性的な役にも挑戦している。
カレーラ(所属事務所) http://www.carrera-co.jp/
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取材・文:加藤いづみ
コピーライター。東京都出身。成城大学文芸学部卒。広告、SP、WEBのコピーライティング、企画のほか、1996年より某企業のPR冊子(月刊)制作を継続して手がけている。
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ヘアメイク:倉田明美 http://akemikurata.com/wp/
撮影:萩庭桂太