歩かせてもらえるだけで
大久保麻梨子
- Magazine ID: 1354
- Posted: 2013.11.21
さて、金鐘賞のレッドカーペットの当日。
ステージに上がるまでの部分は、ハギニワが撮影してきたビデオから彼女の様子をお伝えしよう。
テレビを中心に、役者、司会者、お笑い芸人ら、様々な部門の賞があり、ドラマ部門は大いに注目を集める賞である。
「去年は、私、テレビでこの賞の生放送を見ていました。あ、この人が獲ったんだ、っていう感じ。先月末にプロデューサーから電話でノミネートされたという連絡をもらって、びっくりして泣きました。賞になど縁がないものと思っていましたから」
「いろいろ準備しました?」とハギニワが質問する。
「Youtubeでいろんな人がレッドカーペットを歩く姿を見ました。超高いヒール(15センチくらいある)なので、転ばないようにとだけ心がけています。ハギニワさんに、前にモデルの歩き方を教えてもらったじゃないですか。あの歩き方で行きます」
目をうるうるさせている――映っていないが、見える(笑)――ハギニワがまた聴いている。
「5分の1の確率で賞をもらえたら、どんなスピーチするか、考えている?」
「うーん。考えてもしょうがないから。歩かせてもらえるだけで」
映像のなかでアップになった大久保麻梨子が、せっかくの晴れの日のメークの後で、涙目になった。
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出演:大久保麻梨子
1984年9月7日長崎県生まれ。2003年にデビューし芸能活動を続ける中、2010年初めて一人3泊4日の旅行で訪れた台湾に一目惚れし、帰りの飛行機で台湾留学を決意。その半年後から台湾生活を始め中国語を習得し、仕事の拠点も台湾に移し現在、中華圏の広告、雑誌、ドラマなどで活躍中。夢は日本、台湾をつなぐ架け橋の様な人になること。
オフィシャルブログ(最新情報)http://ameblo.jp/marilog0907/
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取材・文:森 綾
1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影:萩庭桂太