絵梨奈ちゃんは努力家である。中学1年のとき、ローティーン向けのファッション誌『nicola』のモデル・オーディションで、約1万人の中のグランプリに輝いた。それまでは赤面症だったのだと言う。

「小さい頃からの赤面症。それはすごくコンプレックスでした。クラスで先生に当てられるだけで真っ赤になっちゃう。オーディションを乗り越えられたのは、負けず嫌いな性格が恥ずかしがりの性格に勝ったんだと思います。モデルになってからも、読者が来るようなファッションショーでは真っ赤になっていました。でもだんだん、ステージに立っている自分に自信がもてるようになりました。母親もそういう人前で堂々とした私を初めて見たときは驚いたようです」

 中学生ながら、モデルとしても高みを目指してきた。

「表紙に出たり、海外ロケを始めとしたたくさんの企画に呼んでもらえるようになるには、いろんな表情やポーズをもっていないといけない。自分の努力が必要。最初、私は口を閉じてしか笑えなかった。いろんな雑誌を見て研究して、歯を見せてきれいに笑う練習をしました。ポージングも、洋服を表情豊かに見せられるようになるまでいろいろやってみました」

 彼女は表紙にも登場し、nicolaモデルを束ねるリーダー的役割「部長」にも選ばれた。AKB48で言うところのセンターのような役割だったわけである。

  • 出演:中山絵梨奈

    1995年千葉県生まれ。2008年、雑誌nicolaのモデルオーディションでグランプリに。同年10月から2013年10月までメインモデルとして活躍。その後、女優に転向、09年3月公開の映画『あとのまつり』で主演デビュー。現在、『仮面ライダーウィザード』のほか、CMや映像に引っ張りだこである。
    http://www.stardust.co.jp/profile/nakayamaerina.html
    公式ブログ http://www.star-studio.jp/n-erina/

  • 取材・文:森 綾

    1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
    ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太