ネガティブぶりが新しい
岩田さゆり
- Magazine ID: 1192
- Posted: 2012.12.27

素直で可愛らしい女の子。岩田さゆりはそんなイメージとは裏腹に過酷な役柄をこなしてきたようだ。マネージャーさんが言う。
「制作側が意外性のあることをやらせようと思うようですね。そこで彼女はそれをすんなり受け入れてさらっと演じていく。そこに新たな一面を見て、ぼくらが驚かされることが多いです。いや、そんな役を好んでいるわけじゃないんですが、交渉する前に撮っちゃっていたりして……」
あるときは焼き殺される役。若くして不治の病になる役。顔の50センチ横にナイフが刺さる役。マネージャーさんはつらつらと語った。そして付け加える。
「あと、滝に沈んだあと浮かんで来て、放置されて200メートル流されるっていう役もありましたね」
私はたまりかねて本人に言った。「大丈夫なの? 無理そうだと思ったら、断ったらいいんだよ」と。すると、岩田さゆりはきょとんとした顔で言った。
「でもあんまり覚えていないんです、私。健康体で、風邪もひかないし」
不思議な人である。ネガティブなのかポジティブなのかわからない。
『ペケポン』(フジテレビ 金曜19時)では、間違った「MAX敬語」を使う新入社員を演じている。さぞかし敬語を覚えたに違いない。
「いいえ全然。台詞は間違った敬語ばかりなんで、何も身についていないんです」
質問する言葉を失う。まあ、とりあえず、楽しかったらいいけどね。
「はい。毎回、新しいので、毎回、不安はあるけど、飽きることはないです」
実はこういう人がプロなのかもしれない、とだんだん関心が湧いてきた。

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出演:岩田さゆり
1990年静岡県生まれ。A型。04年にティーン向けファッション誌の読者モデルオーディションで準グランプリとなり、芸能界へ。『3年B組金八先生』で女優でビュー。その後、大河ドラマ『平清盛』への出演など、多くの人気ドラマ、映画に出演。
http://www.spacecraft.co.jp/iwatasayuri/ -
取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
ヘアメイク:河西幸司 http://www.uppercrust-2005.com
衣装協力:KariAng Park http://www.kariangpark.jp
撮影協力:CAFFE AMARENA 東京都目黒区青葉台1-27-12 Tel:03-3760-3449 http://fb.com/CaffeAmarena
撮影:萩庭桂太