オスカルになりたかった!?
笹本玲奈
- Magazine ID: 1126
- Posted: 2012.08.22
13歳で『ピーターパン』を主演した笹本玲奈さんだったが、実は当時、捨てきれない夢があった。それは宝塚歌劇団に入ることだった。
「ずっと月組のファンで、涼風真世さん、天海祐希さん、真琴つばささんと憧れてきました。実はデビューしてからも宝塚への夢をまだもっていて、声楽、バレエを習っていたんです。でも先に『レ・ミゼラブル』のオーディションに受かってしまって、宝塚はあきらめました。もし入団できたとしても170センチ以上必要だという男役には、きっとなれなかっただろうなあ」
もっとも、そのときも最年少で『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役をつかんでいた。これもなかなかありえないすごいことである。
「でも『ベルサイユのばら』のオスカルとか、やりたかったですね。今も宝塚歌劇を見に行くたびに『やっぱり受けるべきだったかなあ』と、一瞬、後悔するんですよ」
確かにちょっと彼女のオスカルは見てみたかったような気もする。だが今はどうだろう。我が道を切り開いて舞台に立ち続ける笹本玲奈には、彼女にしかないオリジナルな魅力にふあれている。それを彼女自身がまだ気づいていないのかもしれない、とふと思った。
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出演:笹本玲奈
1985年千葉県生まれ。O型、ふたご座。バレエ、タップ、ジャズとダンスは大好き。98年史上最年少でミュージカル『ピーターパン』主演デビュー。07年に菊田一夫演劇賞、08年に第15回読売演劇大賞優秀女優賞、および杉村春子賞受賞。現在、全国11都市で公演の『ミス・サイゴン』にキム役で出演中。
http://fc.renasasamoto.jp/ -
取材・文:森 綾
1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
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撮影:萩庭桂太