それにしても。高畑充希は少女なのか少年なのか、そしていったい何歳なのか、話しているとますますわからなくなってくる。私はたぶんのべ2000人くらいの有名人にインタビューしていると思うが、そういう魅力を持っている人はほとんどいない。

「本当は33歳なんじゃないの、って最近2人に立て続けに言われたんですよ」

 わかるわかる。時折ふっと、大人なんだもの。

「でも本当に33歳くらいには子どもを産んでいたいですね。人として、ね。だけど自分のタイプとしては、結婚は遅そうな気がするんです。現実的じゃないな。そのうちできたらいいなーと。まあ衝撃的な出会いがあればぽーんとしちゃうかもしれません。20代はフットワーク軽く貪欲に生きたい。チャレンジ精神旺盛な人生を生きたいです。常にドキドキしていないと、終わる気がする」

 役者としても、常に探していたい、という。

「役者も出会いが大事ですから。常に探して、ドキドキして。その世代では私しかできない、というような、唯一無二の役者になりたいです。舞台では主役。映像では四番手もできる、というような」

 おそらく『ピーターパン』を卒業したら、高畑充希はまた激変するんだろうな、と思う。その「濃い」目にぎゅっと詰まったエネルギーが、本当に発揮されるのはきっと、そこからだ。

  • 出演:高畑充希

    1991年大阪府生まれ。AB型。山口百恵トリビュートミュージカル『プレイバックpart2~屋上の天使』主役オーディションでグランプリ。2005年12月にデビュー。数々の舞台でヒロインを務め、ドラマ、映画にも出演。声優、歌手としても活躍。7月20日から東京国際フォーラムで始まる『ピーターパン』で6年目の座長をつとめる。11月18日からは東京・青山劇場『アリス・イン・ワンダーランド』にも出演。ホリプロ所属。

    ミュージカル『ピーターパン』2012公式サイト
    http://hpot.jp/peter/top.html

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太