それにしても、撮影中の記者はヒマだ。なーんにも仕事はない。だからといって、先に帰るわけにもいかない。記事になるようなアクシデントがいつ起こるかわからないからだ。そんなわけで、撮影に背を向けてしまうのも不謹慎なので、阿呆のようにその場につっ立っている。

 まあ、たんなる助平オヤジだ。

 5月23日、キナはファーストアルバム『ステアウェルズ-ジャパン・エディション-』をリリース。アコースティックギターと歌が主体のナチュラルテイストの作品を18曲収録している。オリジナル曲が14曲。カヴァーが4曲。日本人のシンガーソングライター、斉藤和義のヒット曲「歩いて帰ろう」も歌っている。この曲、女性が英語で歌うと、まるで別の曲に聴こえて楽しい。

 アルバムの1曲目、「イン・ユア・アームス」のプロモーションビデオは、今、音楽シーンで話題になっているそうだ。約28万8000個のジェリー・ビーンズを使い、2460カット、撮影時間1357時間で2年近くかけて制作された力作だ(下記プロフィールのURLをご参照ください)。

 しかし、その画面を見て魅力を感じるのは、ジェリー・ビーンズのアートよりも、キナの素朴な歌とルックス。

 そして、オヤジ目線で楽しいのは、ギターのカッティングの度に微妙に揺れる、水着の跡くっきりの胸元だ。もっと強く、もっと激しく、ギターをかき鳴らしておくれ!  心の中で叫びながら見てしまう自分が悲しい。

(取材・文:石神賢介)

ステアウェルズ -ジャパン・エディション-

[アルバム] 2012.05.23発売 2100円(税込) Victor VICP-65056
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A024022.html

  • 出演:キナ・グラニス

    米ロサンゼルス在住のシンガーソングライター。1985年にアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれる。本名はキナ・カスヤ・グラニス。2007年、YouTubeを通じてオリジナル作品を発表し始める。2008年のスーパーボウルで彼女のオリジナル曲「メッセージ・フロム・ユア・ハート」が流れたことで全米に注目される。5月23日、アルバム『ステアウェルズ-ジャパン・エディション-』をリリース(2100円/ビクターエンタテインメント)。現在、世界中で年間約100本のライヴを行い、8月4日(土)ビルボードライブ東京、6日(月)ビルボードライブ大阪で公演を予定
    http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A024022.html

  • 取材・文:石神賢介

    1962年東京都出身。昨年出版した40代バツイチオヤジの婚活記『婚活したらすごかった』(新潮新書)があっという間に10刷のヒット。ネット婚活や婚活パーティーで出会った女性たちとさまざまなセックスをくり広げ、高価なブランド品を度々買わされた、ハウツーにもなる実話が受け、ラジオ出演多数。最新作は『なぜ「スマ婚」はヒットしたのか』(幻冬舎ゲーテビジネス新書)。既婚者の誰もが思い当たる結婚式が高額である理由を徹底的に取材し、ブライダル業界で誰がどうやってもうけているかを解明した。


    http://www.shinchosha.co.jp/book/610430/
    http://www.gentosha.co.jp/book/b5545.html

取材協力:FIAT CAFFE http://fiatcaffe.jp/
撮影:萩庭桂太