そんな永田ジョージの、メジャーデビューが決まった。
『いちむじん』という高知出身の若手ギターデュオが活動10周年を迎え、新たな展開を期してベース、バイオリン、パーカッション、ピアノを加えてバンド展開することになり、招聘されたのだ。キングレコードから11月下旬、アルバム”StillMotion”をリリースすることになった。和のニュアンスも含む、いわゆるワールド・ミュージックで勝負するという。



「メジャーシーンで活躍するバンドに参加できることは光栄ですし、うれしいです。その上で、ピアニストとして参加するということで、今までやってきた個人としての活動理念は基本、今まで通り。」
 メジャーデビューだからといって、今さら舞い上がるわけでもなく。メジャーデビューは彼にとって、高山の壁をひたすらよじ登っているその最中、大きな石をつかんだようなことかもしれない。
「マイルストーンだと思っています。けしてゴールではない。ここで満足も慢心もせずに、パフォーマーとして演奏の内容をステップアップしていくことが、大事なのかな、と」
 そしてどこに向かって、永田ジョージは歩いていくのか。
「音楽家としてこうなりたい、という大きな方向性はありません。でも例えば映画の中で、テレビの中で、街中で、良い曲がかかっていて調べたら永田ジョージの曲だった、という、それくらいでありたいですね。もう少し広いところで、よい多くの人の耳に届きたいというおぼろげな思いがあります」
 ゴールには、より明確なヴィジョンがある。
「死ぬその日までピアノを弾く、というのが僕の人生の目標です。そのときまでお客さんがいて、どこかのライブハウスで、仲間と演奏していたい。そういう状況に自分を置き続けたいです。明日死ぬのか、20年後に死ぬのかわからないけど、それができたら最高ですね!」

  • 出演:永田ジョージ(ながた じょーじ)

    1976年フロリダ州に生まれ、日本・英国・米国の3カ国で過ごし18歳で帰国。クラシックピアノを4歳から始め、大学在学中からジャズピアニストとしての演奏活動を開始。卒業後は外資系IT企業に勤めながらライブを継続。2005年カリフォルニア州サンディエゴに2年間留学し、現地で唯一の日本人ピアニストとして活躍。2007年帰国後、東京での演奏活動を再開し、ジャズ、ボサノバ、ポップスと多ジャンルに渡るアーティストたちとのパフォーマンスを重ねた。2012年6月独立。独自の切り口でのジャズ&ブラジリアンをベースとしたアルバムをリリースしつつ、ライブペインティング、華道、演劇、舞踏、ファッションショーなど音楽以外の表現者とも積極的にコラボレーションを行っている。

    オフィシャルサイト http://www.groovepockets.com/

    “Shade” 発売中 (2016年6月1日発売) CD 2,000+税 GPME-0005 https://www.youtube.com/watch?v=hmqU8sUFWck

    【”Shade of Autumn” 永田ジョージ Solo Session】
    カリフォルニアでレコーディングしたソロアルバム”Shade”リリース後、ヨーロッパを旅して新たな音色を。神楽坂の名店The Gleeの艶っぽいスタインウェイピアノで、秋を感じる名曲をお届けします。
11月5日(Saturday) 13:00 at The Glee
    電話予約 03(5261)3124
ネット予約 http://theglee.jp/

    【Vocal Crossing-Route14-】
    2012年初夏からの定期開催イベント。澤田かおり、ギラ・ジルカ、伊藤大輔、3人のヴォーカリストの声を、ピアノと共に永田ジョージがサポートする。

    12月13日(Tuesday)at JZ Brat
    電話予約03(5728)0168(平日15:00~21:00)
    ネット予約 https://www.jzbrat.com/reserve/

     

    撮影協力

    池坊東京会館 http://www.ikenobo.jp/tokyokaikan/access.html

    JZ Bratオフィシャルサイト https://www.jzbrat.com/

    The Gleeオフィシャルサイト http://theglee.jp/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/