#4 したいことだけ、していく
永田ジョージ
- Magazine ID: 3403
- Posted: 2016.11.03
永田ジョージのジャズは、明るい。
かつてジャズといえば、どちらかといえば暗いイメージのものだった。不健康でアナーキーで、陽光よりも夜の照明、酒とタバコが似合うような。
「僕も昔はそう思っていました。でも西海岸では気温28度、からっとした太陽の真下、海沿いでジャズやっているところがいくつもある。ビール飲みながらブリトー食べながら、みんな楽しんでいます。ジャズって実はすごい自由な音楽ですから、夜に偏る必要は全然ないんです。その後、僕はボサノバも本格的にやるようになって、それまでのジャズとブラジリアン・ミュージックとも融合して、今のスタイルになりました」
しかも趣味はサーフィン。〈波乗り系ピアニスト〉と呼ばれていたこともある。
「仕事のついでに宮崎の海で3日間ほどサーフィンしてくると、体に海のリズムが入り込んでくるのか、その後2週間くらいはすごく楽に、いい音が出せる感覚があります。この夏は野外プールに通って毎日1キロ半ひたすら泳いでいたら、2ヶ月で9キロ痩せた上に、日々のライブも軽やかでした(笑)」
4年半前、ミュージシャン1本で生きて行く道を選んだときに、決めたことがある。
「したいことだけ、していこうと決めました。会社員辞めてまでミュージシャンになるというのは、そういうことじゃないかと。昔、山下達郎さんがインタビュー記事で語っていたことが、すごく印象に残っているんですよ。ふつう、若いうちはやりたくない仕事でも我慢してやれっていいますよね。でも山下さんは、『新人だからと言ってやりたくない音楽でもやると、ミュージシャンとして成功できない。やりたいことだけを貫いている人だけが、長くやっていけるんだ』と。もちろん彼は素晴らしい才能の持ち主だからそれが言えるんでしょうけれど、でもひとつのポリシーとして、僕もそうありたい、と思いました。やりたくないことは無理にしようと思わないし、波長が合わない人ともやらなくていいと思っています。最悪、それで野垂れ死ぬこともないだろう、困ったら狭い家に引っ越せばいいだけかな、と(笑)」
(引用元: 山下達郎さんインタビュー http://www.asakyu.com/column/?id=1031 )
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出演:永田ジョージ(ながた じょーじ)
1976年フロリダ州に生まれ、日本・英国・米国の3カ国で過ごし18歳で帰国。クラシックピアノを4歳から始め、大学在学中からジャズピアニストとしての演奏活動を開始。卒業後は外資系IT企業に勤めながらライブを継続。2005年カリフォルニア州サンディエゴに2年間留学し、現地で唯一の日本人ピアニストとして活躍。2007年帰国後、東京での演奏活動を再開し、ジャズ、ボサノバ、ポップスと多ジャンルに渡るアーティストたちとのパフォーマンスを重ねた。2012年6月独立。独自の切り口でのジャズ&ブラジリアンをベースとしたアルバムをリリースしつつ、ライブペインティング、華道、演劇、舞踏、ファッションショーなど音楽以外の表現者とも積極的にコラボレーションを行っている。
オフィシャルサイト http://www.groovepockets.com/
“Shade” 発売中 (2016年6月1日発売) CD 2,000+税 GPME-0005 https://www.youtube.com/watch?v=hmqU8sUFWck
【”Shade of Autumn” 永田ジョージ Solo Session】
カリフォルニアでレコーディングしたソロアルバム”Shade”リリース後、ヨーロッパを旅して新たな音色を。神楽坂の名店The Gleeの艶っぽいスタインウェイピアノで、秋を感じる名曲をお届けします。 11月5日(Saturday) 13:00 at The Glee
電話予約 03(5261)3124 ネット予約 http://theglee.jp/【Vocal Crossing-Route14-】
2012年初夏からの定期開催イベント。澤田かおり、ギラ・ジルカ、伊藤大輔、3人のヴォーカリストの声を、ピアノと共に永田ジョージがサポートする。12月13日(Tuesday)at JZ Brat
電話予約03(5728)0168(平日15:00~21:00)
ネット予約 https://www.jzbrat.com/reserve/撮影協力
池坊東京会館 http://www.ikenobo.jp/tokyokaikan/access.html
JZ Bratオフィシャルサイト https://www.jzbrat.com/
The Gleeオフィシャルサイト http://theglee.jp/
取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/