小5からゴルフ
相楽樹
- Magazine ID: 1164
- Posted: 2012.11.06
ロイヤルガーデンカフェに到着すると、演劇青年のようなおかっぱの若い男性と、ひげ面で眼鏡をかけた中年カメラマンの間で、まるで荒野に咲く一輪のヒナギクのように、可愛らしい相楽樹ちゃんがいた。
今日はどこを撮影してきたの? と、私は彼女だけを見て尋ねた。
「私は演劇が大好きなので、下北沢のスズナリの前とか、オジヤンカフェとか、駅で撮ってもらったりして、その後、代々木公園で昼寝して、ゴルフの打ちっぱなしに行って、ここに来ました」
「オレは写真撮ってたから今日は昼寝できなかったよー」という萩庭桂太の声は無視し、私は樹ちゃんに話を聴き続けた。17歳でゴルフが好きっていうのは、すごいね、と。
「小5のときから、おじいちゃんとお父さんについて打ちっぱなしに行き始めて、レッスンプロにもついていたんです。福島で子どものためのコース合宿にも行きました。早朝のラジオ体操から始まって、コースに出て、夕方はアプローチ練習をして、と、ずっとゴルフをするんですよ。女の子は3人、男の子は6~7人いたかな。小学校低学年の子もいて、それなりに打っていました。私ですか? ドライバーで120ヤードくらいです。108ぐらいで回っていましたね」
今は200ヤードは飛ばすという。ゴルフをやっていてよかったと思うことは、必ずそのことに質問が来て会話が弾むことだと目を輝かせる。
「同世代でゴルフができるっていう人は少ないから、みんなができないことができるっていうのはちょっとうれしい」
最近、20~30代で流行っているらしいゴルフ合コンにも役立つではないか。
「へー。ゴルフで合コンするんですかー? 私、プレイに夢中になって空気読めない人になっちゃうかも(笑)。でも遠い将来、誰かと結婚して、夫婦でゴルフができたりしたらかっこいいですね」
ほんとですねえ。私も昔、そんなことを考えてゴルフスクールに行ったことがあったんだけど、なぜか手元にはクラブだけが残っているわ。
……ふと横を見ると、火鉢の側のご隠居のように船を漕ぎ始めていた萩庭桂太がびくっと目を覚ました。
「ごめんごめん。ほら、オレ、今日、昼寝できなかったからさー」
……ふざけんなよ!
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出演:相楽樹
1995年埼玉県生まれ、O型。テレビ朝日のドラマ『熱海の捜査官』で本格デビューし、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』にも出演。2012年12月12日~24日、新宿・サンモールスタジオで公演する劇団競泳水着の『すべての夜は朝へと向かう』に出演。2013年1月26日から全国ロードショーされる利重剛監督作品『さよならドビュッシー』にも出演する。
公式ブログ http://ameblo.jp/sagara-itsuki/ -
取材・文:森 綾
大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影:萩庭桂太