#3 落語は治療の友
園田マイコ
- Magazine ID: 3682
- Posted: 2018.03.07

「私実は9年前に、乳がんやってるんですね」
長男を育てながら、モデルとしてバリバリ働いていた頃のこと。突然の宣告を受けて、当然のことながら、落ち込んだ。どころじゃない、絶望した。
「治療中もしんどかったんです。家にいるときも、病気のことを考えてしまうと気持ちが暗くなるので、なるべく笑おうと思って、動画を見たり、落語を聞いたり。義父をきっかけに落語は好きになっていましたけれど、この時期から積極的にいろんな方の落語を聞くようになりました。今1番好きな落語家さんは、三遊亭兼好さんとか、柳家三三さんとか」
好きな噺は『お見立て』、『お菊の皿』、『井戸の茶碗』などなど。
「花魁が出てくる色っぽい噺も好きです。『紺屋高尾』みたいな純愛、してみたい! とも思いますし(笑)」
笑うことによって免疫力がアップする、症状が緩和する、なんて説も、たしかにある。
「ときどき、ガン経験者ということで、講演のお仕事をいただくこともあります。たいていは自分が経験したこと、家族が支えてくれたこと、病気によって自分がどんなふうに変わったか、という話をしますけど、私の体験談をずっと聞いても、つまらないと思うんですよ(笑)。だから私、そこに落語も取り入れたいと思って。残りの15分を落語にあてて、最後に笑ってもらえたら、うれしい。病気をしたら病人にならないといけないって、何もできなくなるって思う人が多いけど、実はそんなことないって、伝えたいんです」
-
出演 :園田マイコ そのだ まいこ
1969年生まれ、高校を卒業後、モデルとして活動を開始。クロエ、FENDI、ジャンポールノットなど数多くの有名ブランドのファッションショーに出演。光文社「HERS」マガジンハウス「クロワッサン」他多数のファッション誌、CM、広告、TVなどで幅広く活躍してきた。
YEOからお知らせ:YEO専用アプリ
このYEOサイトにダイレクトにアクセスするためのスマホ・タブレット用の無料アプリです。
とてもサクサク作動して、今まで以上に見やすくなります。ダウンロードしてください。
iOS版 iOSAndroid版 Android
取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/