イル・ヴォーロの中で一番デカくて愛嬌があるのが、イニャツィオ・ボスケット。
「日本に来ると決まってから、僕らの頭の中は〝スシ、スシ、スシ!〟だった。日本に来たら毎日スシを食べようって決めていたくらいさ(笑)。でも僕らがスシについて得ていた情報は、アメリカ経由だったんだ。アボガドが入っていたり、巻きものにソースがかかっていたり、そういうのがスシだとばかり思っていた。でも日本に来て、そうではない非常にシンプルな素材のものを食べて、〝こういうものだったのか!〟と感動しました。本当においしい。日本にいる間、まだまだ食べるつもりだよ!」
 TV番組の取材で寿司屋に入ったときも、収録の間ににぎりを20貫は食べていた。「お腹いっぱい?」と聞いたら「まだまだ、我々にとっては前菜のようなものさ」とにっこり。
 実は彼、小さい頃は「太っちょだった」そうで。YouTubeで検索すると、たしかにデビュー当時の彼は横にも大きい。そして9年後の今、35キロの減量に成功して、スリムな彼になったとか。
 おひげも、濃いよね?
「僕は13歳の頃からヒゲが生えてきた。ジャンルカには〈小さい熊〉って呼ばれていたよ」
「今は大きな熊だけどね」と、ジャンルカ。
 さらにピエロが言うには、イニャツィオはイル・ヴォーロのムードメーカー。
「寝起きが悪くて、不機嫌な朝ってあるでしょう? そんなときイニャツィオはそれを察して、さりげなく話しかけてくれて、元気にして、盛り上げてくれる。とってもポジティブなヤツなんだ」
 でも1度、ファンに、こんなこと言われたことがあるんだ、と、イニャツィオ。
「『一番カッコイイのがジャンルカ、一番歌う声が素敵なのがピエロ、そしてあなたは、クラウン(道化師)ね!』って(笑)」
 だとしたら、すごく素敵なクラウンだ。英語もスペイン語も完璧にマスターし、さまざまな楽器を弾きこなす。そしてその声は切なくて、哀愁があって、とてもセクシー。
「イタリアには〝本を表紙で判断してはいけない〟という言葉があるんです。僕も中身を見て欲しいね(笑)。そして今回、東京と川崎にしか行けないけど、実際に来てみて日本がとても魅力的なところだとわかりました。次に日本に来るチャンスがあったら、京都とか、大都会じゃない田舎のほうにも行ってみたいです」

  • 出演 イル・ヴォーロ:

    イタリア男子3人組のヴォーカル・トリオ。ジャンルカ・ジノーブレ(Gianlica Ginoble・22歳)、ピエロ・バローネ(Piero Barone・24歳)、イニャツィオ・ボスケット(Ignazio Boschetto・23歳)の3名で構成。オペラのアリアからポップスの名曲まで絶妙なテノールで歌いあげる。ヨーロッパ、ラテン・アメリカ、アメリカ公演はすべて大成功している。
    オフィシャルサイトhttp://www.tate.jp/concert/IL%20VOLO/concertgilvolo.html

    【コンサート情報】
    IL VOLO初来日記念コンサート『Notte Magica~魅惑の夜~』
    11月29日(水)オーチャードホール(完売)/12月1日(金)川崎市スポーツ・文化総合センター
    http://www.tate.jp/ticket/ilvolo/ticketilvolo.html

    【新譜情報】
    『グランデ・アモーレ』11月22日日本リリース。2015年にリリースされたこのアルバムは、アメリカのビルボードではクラシカル、ラテン・ポップの2部門で1位、ラテンチャート2位に輝くなど世界各国で大ヒット。日本初回限定盤にはLIVE DVD付き、ボーナストラックも収録。 
     http://www.sonymusic.co.jp/artist/ilvolo/info/487323

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/