ところで、いなり協会の目的って、なに? いなり寿司を食べてブログにアップするだけ、じゃないですよね?
「みんなの中和剤、的な存在になりたいですね。実はいなり業界って、横のつながりが希薄なんですよ。みんなライバル同士ですから仕方ありませんけど、でも一致団結して、いなり寿司をもっともっとみんなに食べてもらいたい。今1番したいのは、『初午(はつうま)いなりの日』を皆さんに知ってもらうこと、一大イベントにすることです。お揚げメーカーのみすずコーポレーションさんと一緒に、毎年2月11日を『初午いなりの日』に決めたので、これから徐々に、国民的なイベントになるといいなって」
 立春の後、最初の午(うし)の日は、1年でもっとも運気が高まるといわれる日。その初午の日に、稲荷神社の神のお使いであるキツネが大好きないなり寿司を食べれば、商売繁盛でみんながハッピー! というわけ。
「ライバルは、恵方巻きです(笑)!」
 さてここからは、王子からの〈いなりの知恵〉。
「いなり寿司は安いですから、わざわざ買いに行って、1個100円のものを2つだけ下さいって買うのもちょっと気が引けることがあります。だからついつい5個、6個と買って、もったいないから全部食べてしまうと太っちゃう(笑)。食べたいだけ食べて、残りは冷凍いたしましょう!」
 それをおいしく食べるには、コツがあるそうで。
「お揚げメーカーさんに教えていただいたんですけど、冷凍するときはひとつずつラップで包んで下さい。そして食べるときは、電子レンジでチンするよりも、湯煎するほうが確実においしいです。レンジだと酢飯の酢が飛んでしまったり、妙にキツくなったりするんです。湯煎は、沸騰したお湯の中にポチャッと入れて弱火で2分くらい。さらに火を止めてそのまま1分くらい置いておき、お湯から出して余熱が冷めた頃が、ちょうど食べ頃です。
ちなみに、いなり寿司には1番おいしい食べ頃というのがあって、出来てから4時間後なんですよ。味が馴染んで、落ち着いて、お揚げと酢飯と具が仲良く、三位一体で召し上がれます」

  • 出演 :坂梨カズ   さかなし かず

    1966年9月18日生まれ。トータルビューティープロデューサー。幼い頃からいなり寿司を愛し、15年前から日常的にいなり寿司を愛好。好きが高じて『一般社団法人 いなり寿司協会』の設立に関わり、現在広報担当としていなり寿司の普及活動に努めている。1990年『凸版印刷 トッパンアイデアセンター』に入社してアートディレクターに。93年『GAP』に入社。95年『セシール』クリエイティブ部門にて商品開発に関わる。2002年TOKYOビューティアドバイザースクール講師に就任。2013年株式会社『アントワーヌ』設立、代表に就任。
    オフィシャルブログ いなり王子の『いなりな日々』https://ameblo.jp/inari-oji/entry-12322953440.html

  • YEOからお知らせ:YEO専用アプリ

    このYEOサイトにダイレクトにアクセスするためのスマホ・タブレット用の無料アプリです。
    とてもサクサク作動して、今まで以上に見やすくなります。ダウンロードしてください。
    iOS版 iOS

    Android版 Android

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/