#1 六年前に活動弁士デビュー
ハルキ
- Magazine ID: 3605
- Posted: 2017.09.18
〈無声映画&活動弁士〉を初めて見た。(8月20日・シアター1010ミニシアターにて)
演し物は『チャップリンの冒険者』と『ダグラスの海賊』。予想していたよりずっと、面白い。サイレント映画の白黒画面は、色がなくても表情豊かだし、ストーリーはよく練られているし、ギャグもテンポ良くセンスがいいし、演出も確か。約100年前に作られて今も残っているというのは、それだけ優れた作品、ということかも。
この無声映画を盛り上げるのが、活動弁士。スクリーン横に陣取り、字幕の台詞を感情込めて声に出し、ストーリーがわかりやすいように画面の説明をしてくれる。観客の邪魔をせずに、観客のイマジネーションを刺激してくれる、さじ加減絶妙の重要な役割だ。ハルキさんは明るくてクリアな声を変幻自在に操って、初めての無声映画をフルに愉しませてくれた。
もとは古い映画マニア? それとも元女子アナとか、タレントさんとかですか?
「いえ、私は別に無声映画が好きだったわけじゃないし、まったく興味なかったんです。ふつうにお勤めして、15年間OLをやって、その後いろいろあって、弁士をやってみようと思ったのは49歳の時なんですよ」
え゛ー! なんか、映画より波瀾万丈なストーリーが期待できそう。今週のYEOは、活動弁士ハルキさんをクローズアップ。活動弁士という仕事や無声映画について伺いながら、何が彼女をそうさせたか、金曜日まで連日更新。愉快痛快人生いろいろ物語、乞う御期待!
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出演 :ハルキ はるき
会社勤務を経て、2005年より無声映画公演のスタッフとして活動を開始。公演プロデュースも担当する一方、16㎜映写機・伴奏音楽のオペレーションを担当。映画説明(活動写真弁士)の習得に努め、2011年7月、活動弁士としてデビュー。2012年1月より2013年1月まで無声映画鑑賞会に出演。2013年7月「活動弁士 ハルキによる無声映画公演」をプロデュースするオフィス・アゲインを夫の松田豊とともに設立。
【公演情報】
10月21日(土)午後5時開演 花畑記念庭園・桜花亭 『瞼の母』
11月2日(木)午後7時開演 岡谷スカラ座『ロイドの要心無用』 ピアノ演奏:新垣隆
11月5日(日)時間未定 川越スカラ座 『散り行く花』 ピアノ演奏:新垣隆
上映会情報はHPに掲載中。HP http://www.office-again.net/
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取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/