デビューしてからしばらくの間、蓮は青森の実家から仕事場に通っていた。新幹線を使って片道４時間半。その間、何をしていたのかというと。
「えっと、勉強、してました。中学のときは本当に、勉強への執着心が強くて。ふだんの勉強はしないんですけど、テスト期間とか、すごい勉強してたんです」
　かなり成績優秀らしい。インタビューの受け答えもハキハキ、頭の良さは伝わってくる。じゃ、優等生？　と聞いたら、過敏に反応した。
「じゃないと思うんです。よく言われるんですよ、すごい真面目でおとなしそうに見えるって。でも実際には、授業中寝ちゃうこともあるし、先生にウルサイって言われるくらい騒いじゃうこともあるし。やんちゃってほどじゃないけど、そんなにいい子じゃないと思います。勉強は、たまたま好きなので、好きなときに好きなだけやっているという感覚なので、優等生ではないんです」
　きっとこれは、優等生ならではの、優等生コンプレックス。ありのままの自分を受け入れるまで、いくつになっても何をしてても、人はみんな、煩悶するものだよね。
　高校進学を機に、東京に拠点を移した。今は姉ふたりと一緒に、都内で生活している。
「地元が大好きだったので、青森を離れるなんて想像できなかったんです、最初は。親から離れるのも怖くて、ギリギリまで上京を悩んでいたんですけど････。親に〝人生一回しかないんだから、生きているうちに見られるものは全部見たらいい〟と言われて、確かにそうかな、と。東京に住み始めたら、ひとりで行きたいところに行けるし、見たいものが見られるし、情報の量も違うし、上京してきて良かったなって思ってます。
この間、ゴールデンウィークに久しぶりに実家に帰ったんです。帰ってしまったら、もう東京に戻りたくなくなるんじゃないかって心配だったんですけど、４日目くらいかな、私、東京に戻りたいって思ったんですよ！(笑)　親がいて、のんびりできて、友達もいて、ゆるくて楽しい毎日なんですけど途中で、あ、動きたいなって思った。お仕事したいなって。ちゃんとリフレッシュできたし、また頑張ろうって、東京に戻ってから思いました。青森と東京、ふたつ帰る場所があるって、いいですよね！(笑)」