絵を描くのは、子どもの頃から好きだった。AVの仕事とは別に、かなり前から絵を描く仕事も並行して続けている。今年3月13日から19日まで、東京・湾岸画廊で大塚咲絵画展を開催したばかりだ。
ホームページを覗くと、彼女の作品を見ることができる。赤や黒のダークな色調の抽象画などなど、一度見たら忘れられないインパクト。
「最近少し、絵が変わってきているんです。以前は細々とした絵を描いていたんですよ、小さい丸とか細い線とか。それがこの頃、タッチが変わってきました。使う色も、だんだん淡い色を使うようになってきたんです。今までは赤とか黄色の強い色が多かったんですけど、最近はピンクとか水色とか。明るい色、薄い色、かな。やっとふつうに女性らしくなってきたのかな」
 目の前にいる大塚咲は、かわいくて小柄でキュート。たしかにその画風とは、かけ離れた印象だ。
「もともと、カラフルな色合いが好きなんです。私の部屋の壁は水色と黄色で、だから自分の絵を自分の部屋に飾りたくない(笑)。自分自身と描く絵のテイストが、違うんですよね。着る服も、けっこうピンクとかブルーとか色物が多い。ピンクのリュックを背負ってるくせに、あんな絵を描くの? って自分で思います(笑)」
 とはいえ、色は精神状態のバロメーター。そのときの気分次第で、好ましい色はその都度変わる。選んでしまう色は、そのときの自分を映し出す。
「だからあるとき、色の持つ意味を調べてみたんです。どうして赤ばかり使って描くのか。赤って、自分の生命に危機を感じたりすると、欲する色みたいですね。そう聞いて、そうだろうな、と納得しました。それまで、他の色にしようとしても、結局はどうしても赤を選んでしまっていたから。でもそういうのを知ってしまうと、また考えちゃうんです。また赤かよ、って(笑)。気づいてしまったのにまた赤を使う自分が、なんか嫌になってしまって。どうして色の持つ意味なんて、調べてしまったんでしょうね!(笑)」

  • 出演 : 大塚咲 おおつか さき

    1984年生まれ。東京都出身。2004年よりAV女優として活動する一方、2006年からファッションブランドにイラストを提供、展覧会に参加するなど画家として活動を続けてきた。2011年より写真を撮り始め、写真家としても活動を開始。2012年セルフポートレート写真集『密賣NUDE』を発表している。2012年AV女優を引退した。
    HP https://www.otsukasaki.com/

     『よわむし』

    双葉社刊 2017年6月23日発売予定
    〈イベント情報〉
    大塚咲写真展「me」 6月30日(金)~7月9日(日) 13:00~19:00
    神保町画廊 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-41-7安野ビル1階 
     http://jinbochogarou.com/

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/